隙間時間の英語雑学 T-01

Thursday, 3rd September

今週の英語雑学 - 動詞“bear” (動画『赤ずきんちゃん』より)

先週の動画『赤ずきんちゃん』(仕組まれたシリーズ)からの雑学です。

 

Little Red Riding Hood

 

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オオカミをだますため、お祖母ちゃんの家のある方角を、『三匹の熊の家』の方向だと教える赤ずきんちゃんは、ツボにはまったのか、その後『熊』という単語を連発していますね。

 

2分30秒あたりから続出する”bear”に注目してみましょう。

  1. Do you think I should bear slightly off the path to gather flowers?
  2. I’ll be sure to bear that in mind.
  3. Thank you so much for bearing with me.
  4. …as I bear this basket onto my grandmother’s house and help her bear her sickness, that she can barely bear.

 

ご存知のとおり、”bear”は名詞の場合は『熊』ですが、動詞になると色々な意味があります。

『受け入れる』、『耐える』の他、『方向を変える』、『そのまま続ける』、『運ぶ』などです。

 

ということは…

 Do you think I should bear slightly off the path to gather flowers?

『花を集めるために、小道をちょっと外れたところを、(歩いて)行くべきかしら?』となりますね。

 

  1. I’ll be sure to bear that in mind.

『ちゃんと覚えておくわ。』

動詞句“bear in mind”の『~を心に留めておく、覚えておく』に、”be sure”(必ず、きっと)を加えて、強調していますね。

 

  1. Thank you so much for bearing with me.

『私のために時間を割いてくれて、どうもありがとう。』

動詞句“bear with someone/something”は、人(物)に対して、寛容でいる(ある)という意味です。『待っててくれてありがとう』のようなニュアンスです。立ち止まって話をしてくれた、オオカミの寛容さに感謝を示していますね。

 

  1. …as I bear this basket onto my grandmother’s house and help her bear her sickness, that she can barely bear.

意味的には敢えて続ける必要がないのでNo.3とNo.4に分けましたが、赤ずきんちゃんは実際、上のNo.3の” Thank you so much for bearing with me”の後も、切れ目なくセンテンスを続けています。

 

文頭の”as”の用法は多岐にわたります。ここでの”as”は“while”とほぼ同じで『~する間』となりますが、まずは”bear”を見てみましょう。

 

最初の”bear”は『運ぶ』で後半の”bear”は二つとも『耐える』です。関係代名詞”that”の後に出て来る”barely”は”hardly”(ほとんど~できない)と同じ意味なのですが、綴りは異なっても音が”bear”と同じになるので、赤ずきんちゃんとしては”barely”が使いたかったのでしょう。

 

『このバスケット(の花)をお祖母ちゃんの家に持って行って、耐えがたい病気に堪えているお祖母ちゃんを助ける』となりますね。

 

全てをひとまとめにすると、『このバスケット(の花)をお祖母ちゃんの家に持って行って、耐えがたい病気に堪えているお祖母ちゃんを助けようとする私を待ってくれて、ありがたい』ですが、ピリオドがないからといって、必ずすべてを繋げてしまう必要はありません。特に口語ですし、赤ずきんちゃんはとにかく、できる限り多くの”bear”を詰め込んで長文にしようとしているので、意味が通るところで切り分けた方が分かりやすいです。

 

『私のために時間を割いてくれて、どうもありがとう。(以下独り言)お祖母ちゃんの家に花を持って行って、病気で辛い思いをしているお祖母ちゃんを元気づけてあげなくちゃ。大変な病気なんだから…。』という感じでしょうか。

 

might

せっかくなので、もうひとつ。沢山”bear”が出て来る直前の、2分17秒あたりでオオカミが使っている、”might”を使った表現を見てみましょう。

 

“Might I recommend taking time to gather some wonderfully beautiful flowers for your grandma as you go?”

随分婉曲的な丁寧な言い回しですが、初対面なので”I recommend”とズバリお勧めするよりも、うんと印象が良いです。また、疑問文の形をとることで、より控えめな感じが出せます。

 

『行く途中、お祖母ちゃんのために、とっても美しい花を摘んで(集めて)あげるのに、時間を取ってみるのは、いかがなものだろうか?』

つまり、

『ちょっと寄り道して、お祖母ちゃんのために、とっても美しい花を摘んであげるというのは、どうだろうか?』ということになりますね。

 

例えば、“You might (want to) add a little more Miso in the soup next time.”

味噌汁が薄かった時など、『味薄いじゃん!』なとど言われたら、ムカッとしますが、こんなうふに言われたら、『そうかも…。次から気を付けるね。』と素直に言えますね。

 

あとがき

レッスン中に何度もお伝えしているので、一部の方には繰り返しになってしまいますが、文法書や問題集は、辞書として活用することをお勧めします。問題集を使って英文法をきちんと勉強することは、勿論大変良い事ですが、勉強したことを実際に使わないと、忘れてしまいませんか?だったら、逆に実際に聞いたこと、見たこと(読んだこと?)を、文法書で確認すれば良いですよね?イディオムや動詞句を、何度も書いたり、声に出して読んでみたりして覚えるのも、テスト勉強として短期的に暗記するには有効だと思います。でも、実際の会話で使われているところを聞いて、『あれ?これは今までに何度か聞いたことあるけど、どんな意味なんだろう?』と興味を持って、自分で調べて、納得すれば、それはもう永久的に自分のものになりますよね?その『調べる』部分に時間が掛かったり、気に入った辞書、分かりやすい辞書に巡り合えていなかったり…という部分をお手伝いできれば、と思います。

 

ですので、木曜日の雑学では基本的に、動画やお勧め図書に出てきたものを取り上げますが、勿論リクエスト大歓迎です。

 

ではまた来週。