今週の英語雑学 – “Thank you.”

Thursday, 8th October 2020    

今週の英語雑学 – “Thank you”と言いたい時、言われた時

 よくあるご質問のひとつで、”Thank you.”の別の言い方と、そう言われた時の答え方です。お礼を言う時や言われた時、いつも同じ表現を繰り返すのではなく、別の言い方ができれば…というリクエストがありましたので。

 

解説

勿論、いつもシンプルに”Thank you.”だけでも、全く問題はありませんし、むしろ言い回しよりも、心から感謝しているという『気持ち』の方が大切ですよね。職場でも圧倒的に”Thank you.”が使われること多いですし、まず”Thank you.”と言っておいてから、『~を~してくれて、本当に助かりました。云々…』と、状況説明をした後で、別の言い方で、あらためて感謝の気持ちを伝えることが多いです。

 

お礼の言い方 

  1. “Cheers.”

カジュアルな表現です。親しい間柄の人が、ちょっとしたことをしてくれた時に。以前勤めていた職場では、メールの終わりに”Bye”の意味で使われていました。その場合は”Cheers!”で返します。

 

  1. Thanks a lot”, “Thanks a bunch” & “Thanks a million.

“Thank you so (very) much.”をカジュアルにした感じです。教科書にも出ていましたね。

 

  1. I owe you one” & “I owe you big time.

上記の”Thanks a lot”などと同様にカジュアルな表現ですが、こちらは教科書には出ていなかったと思います。

 

  1. I appreciate that” & “I am very grateful.

フォーマルな表現です。

 

  1. You saved my life” & “You are a life saver.

若干大袈裟に聞こえるかも知れませんが、日本語でも『おかげで命拾いしたよ』というような言い方をしますよね。メンツが保た時や、大変なストレスから解放された場合のお礼に。

 

  1. You shouldn’t have” & “You are too kind.

旅行された方からお土産を頂いた時などに使っていましたが、キョトンとした顔をされてしまいましたので、慌てて『Thank you と同じ意味です』とご説明したことが何度かありました。よく考えてみれば、日本語に直訳すると『あなたはそうすべきではなかった』のように、大変ネガティブ&失礼に聞こえてしまう表現ですね…。気分を害された方がいらっしゃったかも知れず、大変申し訳ございませんでした。

 

お礼を言われた時の返事の仕方 

  1. “Don’t mention it“, “Not at all“ & “It was no bother.”

『お礼など言う必要さえありませんよ』というニュアンスの表現です。この中で、”It was no bother.”はややフォーマルです。大学で初めての授業の時、アメリカ人の先生に”Don’t mention it.”を使ってしまい、『???』という表情をされてしまい、慌てて”You are welcome.”と言い直したことを今でも鮮明に覚えています。そのことを、次の授業でイギリス人の先生に話したら、『君は間違ってはいなかったよ。”You are welcome.”はアメリカ人にだけ使いなさい。』と言われました。40年近く昔のことなので、今ほど”You are welcome.”がイギリスで受け入れられていなかったのでしょう。職場でも、若い世代のイギリス人教師達は”You are welcome.”を使っていますが、自分と同年代のイギリス人教師は、この表現は決して使いません…。

 

  1. “No worries” & “Not a problem.

ラインなどでこちらから返信する時に、よく使っていると思いますが、かなりカジュアルな表現です。目上のネイティブスピーカーには、この表現はお勧めしません。

 

  1. It was nothing & “Think nothing of it.

“No worries.”を若干フォーマルにしたような表現です。『どうということはない』、『考えることさえ不要』のような感じでしょうか。

 

  1. “My pleasure.” (=“It was my pleasure to help.”)

フォーマルな表現です。『お役に立ててうれしいです』と言いたい時に。こちらも、たまにラインで使っていると思います。”My Pleasure”だけでもフォーマルですが、短縮しないでフルセンテンスにすると、さらにフォーマルです。繰り返しになりますが、英語表現は長ければ長いほどフォーマルです。

 

  1. “I’m happy to help”, “Anytime”, Sure” & “Sure thing.”

全く異なる表現にも見えますが、内容的にはお礼を受け入れいてます。『またいつでも言ってくださいね』と言いたい時に使います。

 

  1. You are most welcome” & “It was no trouble at all.”

よく『最上級なのに、なぜ”the”が付かないのか』とか『副詞のはずだから、”mostly”ではないのか?』というご質問を受けます。文法的には例外なものを含む慣用表現は多いです。ネイティブスピーカーでさえ(『だからこそ』と言った方が適格かも知れません)、説明できないことがほとんどです。時間を掛けてゆっくり考えた方が良いこともありますが、この場合は、『こういう言い方があるんだな』と割り切ってインプットし、別の表現も沢山インプットしましょう。

 

  1. That’s all right.”

特に色々と考えることもなく、普通に『いいえ』と言いたい時に。使われる頻度も高く、ニュートラルな表現です。

 

補足

“Unthank you.

まだ辞書には記載されていないようですが、最近よく耳にします。皮肉を込めた『どうもありがとう』ですね。つい最近、テレビのニュース番組で、イギリス国民が政府に対して『Brexitしてくれて、ありがとう。コロナウイルス感染防止でも、素晴らしい働きをしてくれて、ありがとう…。』と、”unthank”を使って、延々訴え続けている場面が放送されていました。もともと”Thank you”だけでも、イントネーションや、前後の文脈によっては、皮肉な意味に使われていたのですが、それだけでは表現しきれない苛立ちというか、不満のようなものが込められた新語のようです。

 

インターネット関連のみならず、新しい価値観や技術の発展に伴う造語が、どんどん生まれてきていますね。たまに日本語の動画を見ると、理解するのに辞書が必要なほどです。カタカナ化した英語もどんどん入っていて、間違った形のまま定着しているものも多く、この先日本語はどうなるのだろう?と心配になります…。

 

 

読んで下さった方、お疲れ様でした!
最善を尽くしましたが、まだまだ長いですね...。文章力がなくて、すみません…。

 

ではまた来週。