隙間時間の英語雑学T-17

Thursday, 31st December 2020    

今週の英語雑学 イディオム - “C-3”

Cで始まるイディオム(慣用句)の第三弾、最終回となります。当初4回くらいに分けようと考えていたのですが、1回に10個以内で納められることができましたので…。

解説 

  1. Cost (sb) an arm and a leg

『とても高くつく』ということですが、直訳すると『腕と脚(ほど)の費用が掛かる』で、ちょっとピンときませんね。

My computer broke down and the repair work cost me an arm and a leg!

How was the restaurant? Oh, the food was top quality, but it cost me an arm and a leg…

 

  1. Over the counter

『カウンター越しに』、つまり『店頭で』ということですね。処方箋の要らない薬を、薬局などで購入する際に使います。

You can buy most cold remedies over the counter in Japan.

また“over-the-counter medicine”などのように、形容詞としても使えます。 

 

  1. Get cracking

“crack”にも色々な意味があるのですが、とりあえず『(ムチなどで)打ってしまえ』とか『割ってしまえ』のような直訳ができます。『すぐに着手しよう』ということですが、ニュアンス的には『ぐずぐずしていないで、サッサと始めよう』のような感じですね。”Hurry up!”と言いたい場面で使えますが、それほど急き立てるような感じはありません。

Get cracking, or we will miss the train.

There’s a lot to do, so let’s get cracking.

 

  1. From the cradle to the grave

読んで字のごとくですね、『ゆりかごから墓場まで』つまり、『生まれてから死ぬまで、一生(の間)、一生を通じて』と言いたい時に使えます。

My grandmother lived in Takayama-city from the cradle to the grave.

 

  1. The cream of the top → the cream of sth

直訳『頂点のクリーム』だと、意味不明かも知れませんが、下記例文から想像できますね?

These apples from this orchard are definitely the cream of the crop.

These students are very bright. They are the cream of the top in our institution.

『一番良い所(物)』『最高の人材』のような意味になりますね。

例文にあるように“the cream of the crop”という言い方もあります。 

 

  1. Cry over spilt milk

『こぼれたミルクを泣く』つまり、『こぼしてしまったミルクについて泣く、嘆く』ということですね。否定形にして、『既に起きてしまったことを嘆くのは良くない』などと言いたい時に使えますね。

We were disappointed to have lost the match, but there’s no use crying over the spilt mild. Let’s start training harder for next match.

 

岐阜県の田舎にある私立高校の英語科に転入後、『中間試験に出るので、暗記しなさい』と言われて覚えた『ことわざリスト』の中に”There is no use crying over the spilt milk.”があったことを、今でも鮮明に覚えています。3人の先生方が、イギリス英語、オーストラリア英語、アメリカ英語で、それぞれ懇切丁寧に教えて下さいました。学習方法、学ぶ側の意識やアプローチの仕方、言語を取り巻く環境が変わっても、外国語を学ぶ基本は変わっていないと思います。

 

一方、言葉は生き物ですから、変わりますね。日本語でも、ドンドン新しい言葉が出来たり、以前とは使い方が異なったりしていて、たまに日本に行くと、話の内容がわからないことがあります。カタカナの多さにも驚かされます。今では、”There is no use crying over the spilt milk.”にも、次のようなヴァリエーションがあります。

”It’s no use crying over the spilt milk.”

”It’s no good crying over the spilt milk.”

”It’s no good to cry over the spilt milk.”

”Don’t cry over the spilt milk.”

 

↓投資関係のコマーシャルですが、楽しい動画を見つけました。

It's no use crying over spilled milk

www.youtube.com

 

  1. Not be sb’s cup of tea (informal)

『私の(好みの)紅茶ではない』と、否定形で使います。スコットランド人の友人がそう言ったのを、初めて聞いた時に、すぐに意味を悟ってしまいました。一緒にお茶に誘いたかった、オーストラリア人のクラスメートのことを言いかけたら、即座に“She’s not my cup of tea.”と言われてしまったのです。『彼女は苦手だ』と言うよりは、多少マシかも知れませんが、結局のところ『彼女はあまり好きじゃない、気に入らない』ということですね。

 

全てのイディオムが網羅されているわけではありませんが、実際に使われる場面が分かるこのシリーズは、とても良いです。

Idioms in TVSeries: not be sb's cup of tea

www.youtube.com

 

  1. To cut a long story short

『長い話を短く切ること』、つまり『手短に言えば』、『かいつまんで言うと』というところですね。日本語では『早い話が』と言いますね。

My nephew wanted to be a pilot but, to cut a long story short, he ended up as an entrepreneur.

To cut a long story short, she sold her flat!

 

 

あとがき

今年は大変な一年でしたね。まだコロナウイルス終息まで、時間が掛かりそうですが、少しでも良い展開があることを願って止みません。

 

ではまた来週。