隙間時間の英語雑学T-39

Thursday, 3rd June, 2021 

 

今週の英語雑学

中学校の英文法の復習 part 4

動画 If You Give a Moose a Muffin

 

動画”If You Give a Moose a Muffin”で復習する英文法は、今回は最終回です。

If You Give a Moose a Muffin

www.youtube.com

 

『もしもヘラジカにマフィンをあげたら(どうなるか)?』

 

今回分析するのは、こちらです。↓

 

Then he’ll ask for some soap to wash it out. He’ll probably want to hang the sheets up to dry. He’ll go outside to put it on the clothesline. When he’s out in the yard, he’ll see your mother’s blackberry bushes. Seeing the blackberries will remind him of her jam. He’ll probably ask you for some. And chances are… If you give him the jam, he’ll want a muffin to go with it.

 

解説    

早速分析しましょう。

“Then he’ll ask for some soap to wash it out.”

『その後、彼はそれを洗うための石鹸が欲しいと頼んでくるでしょう。』

 

『それ』ってなんのこと?となってしまいますので、前後関係をはっきりさせるために、先週分の一番最後の文章をコピペしました。下の文章から”it”に言い換えられる単数形の名詞を探すと…?

 

“You’ll bring him a sheet from your bed. So he’ll use the sheet to clean up the mess.”

『(あなたは彼に)ベッドからシーツを持ってきてあげるでしょう。そうしたら、彼はそのシーツで、汚れたところを掃除できます。』

 

そうですね、“it”はシーツでしたね。

 

次の文章です。

“He’ll probably want to hang the sheets up to dry.”

『すると彼は多分、そのシーツを干したいと思うでしょう。』

 

ここでは、”probably”の位置が”maybe”とは違うんだなぁ、と心の片隅にメモしておきましょう。意味的にはあまり変わりはありませんが、どうしても気になる方は、コチラを読んでみて下さい。

 

What are the differences between "maybe", "perhaps", "possibly", and "probably"?

www.phrasemix.com

 

最初からあまり詳細にこだわるよりも、多読を重ねて行き、自分なりにある程度分析(予測?)できてから、詳細を読む方がお勧めではありますが…。

 

次に行きましょう。

“He’ll go outside to put it on the clothesline.”

『彼(ヘラジカ)は外に出て、それを物干しロープに掛けるでしょう』

 

ここでの“it”も、シーツですね。

 

よくある質問の”go out”と”go outside”の違いですが、ざっくり言ってしまうと”go out”は『外出する=お出掛けする』で、”go outside”は『(何らかの目的があって)建物の外に出る』です。何かをするために『建物の外に出る』ので、その後にその『何か』を続けなくては、文章が完成しませんね。一方”go out”の方は、『今日の午後家にいる?』『ううん、多分出掛けると思う』のように”Maybe I’ll go out.”で文章を終えても、未完成感はありませんね。

 

“When he’s out in the yard, he’ll see your mother’s blackberry bushes.”

『庭に出ると、彼には、(あなたの)お母さんのブルーベリーの茂みが見えるでしょう。』

 

よくある質問その2です。レッスン中のご説明と重複しますので、ご存知の方は飛ばして下さいませ。

動詞”see”と”look”は、どう違うのでしょうか?まずは例文から推測してみて下さい。

It’s too dark! I can’t see anything.

She turned her head to look at the whiteboard.

 

日本語にしてみると、

『暗過ぎて、何も見えません。』

『彼女は向きを変えて、ホワイトボードの方を見た。』

となりますね。

 

こまごまと色々ありますが、こちらもザックリ言ってしまうと、”see”は『見える』で、”look”が(意図的に)『目を向ける』という感じになります。本当は細かくひとつひとつ、例文を見ながら目を通して理解するのが、正しい辞書の使い方なのですが…。挑戦してみたい方は、こちらを読んでみて下さい。

 

Cambridge Dictionary (SEE)

SEE | meaning in the Cambridge English Dictionary

“to be conscious of what is around you by using your eyes”

 

Cambridge Dictionary (LOOK)

LOOK | meaning in the Cambridge English Dictionary

“to direct your eyes in order to see”

 

ですので、ひとつの文章に”see””look”を、一緒に使うこともできます。

If you look over there, you will see Mt Fuji.

『あっちの方に目を向ければ、富士山が見えますよ。』

 

勿論、”see”にも”look”にも、他にも色々な意味や用法がありますし、”watch”や”view”など、混同しやすい単語も多いですが、詳しくはまたの機会に…。

 

次です。

“Seeing the blackberries will remind him of her jam. He’ll probably ask you for some.”

ブラックベリーの茂みを見ると、彼は彼女のジャムを思い出すでしょう。(すると)彼はおそらく、(ジャムが)少し欲しいと頼んでくるでしょう。』

 

ここで登場する動名詞(動詞+ingの形)は、『~すること』とですので『見ること』ですね。何を見るのかというと、ブラックベリーの茂みですから、それをつないで頭でっかちの主語にして、『ブラックベリーの茂みを見ることは』となります。”will remind him”で、『彼に思い出させるでしょう』となって、目的語『何を』に当たる『彼女のジャム』とつなぐと、直訳としては『そのブラックベリーの茂みを見ることは、彼に彼女のジャムを思い出させるであろう』となります。”remind+人+of+物”と、いう語順に注目します。『人』と『物』の間に”of”を使うんだな、と丸ごとインプットしておきましょう。

 

勿論、ここでの動名詞は主語として使われているので、代わりに”to不定詞”を使って”To see the blackberries will remind him of her jam.”とできなくもないですし、文法的に間違ってはいないのですが、主語を作る場合は動名詞を使うことの方がうんと多いですし、おさまりが良いです。

 

この”to+不定詞”と動名詞についても、リクエストがありましたら、別の機会に取り上げさせて頂きます。

 

2つ目の文章の”some”は何なのかな、と思ったら、この場合も一つ前の文章↓に戻れば、それがジャムのことだと分かりますね。

“Seeing the blackberries will remind him of her jam. He’ll probably ask you for some.”

 

何度も同じような言い回しをするのを避けるため、敢えて”some jam”とか”some of her jam”とは言っていないんですね。言わなくても、分かり切っていますし。

 

次は最後の文章になりますね。

“And chances are… If you give him the jam, he’ll want a muffin to go with it.”

『彼にジャムを上げたなら、おそらく彼は、それに合うマフィンが欲しいと頼んでくるでしょう。』

 

この”chances are…”という言い方、とてもよく使います。ほとんど”it seems/is likely…”と同じですが、話し言葉としては、”chances are…”の方がより頻繁に使われます。『おそらく・多分~であろう』とか『~の可能性が高い』と言いたい時に。勿論、”Chances are that…”と一つの文章にしてしまうことも可能です。

 

次回予告

来週から、『動画による英文法復習』以前に続けていたイディオムに戻ります。一ヶ月も間が空いてしまって、すみません!

 

ではまた来週。