おすすめの英語本5選B-29

Saturday, 31st December 2022 

 

おすすめの英語本解説05/05

 

  1. Norwegian Wood by Haruki Murakami

今回は内容ではなく、表現にスポットを当ててみました。真似したくなるような、美しい表現が満載です。(国外向けJay Rubinさんの訳です。)

 

 

メモ

 Chapter 1

 

P6 (1行目から)

You’d yell at the top of your lungs, but nobody would hear you, and you couldn’t expect anyone to find you, and you’d have centipedes and spiders crawling all over you, and…

 

こちらは“field well”に落ちたら、どうなるかというNaokoの説明です。原書(日本語)は読んだことはありませんが、おそらく『どんなに大声で叫んでも』に近いものだと思われます。アメリカ英語には、”lung”を使った、このような表現があるのですね。ちなみにイギリス英語では”at the top of your voice”です。

 

 

P7 (2行目から)

Those beautiful eyes of hers were looking inside me for a long, long time.

 

“Her beautiful eyes”ではなく”beautiful eyes of hers”となっています。勿論”those”を使っていることもありますし、前者が間違いだというわけではないのですが、わざわざ文法をとことん勉強して暗記しなくても、『あぁ、あの時こういう語順で”of”の後は所有代名詞だったなぁ』と気が付けば、いつでも応用できますよね。本で読んだり、動画で見たことを覚えていて、気になるなぁ、知りたいなぁ、と思ってから文法を勉強する方が、よく理解できますよ。

 

 

Chapter 2

 

P24 (13行目から)

“I was a long distance runner at school, I’ll have you know…”

 

“I’ll tell you”でも”Let me tell you”でもなく、”I’ll have you know”なんですね。一般的な表現ではありませんが、お嬢様学校に通うNaokoにはぴったりの表現ですね。(その表現の使われている場面や、使っている人物に関連付けて理解しておくと、その場に適切な表気が、すんなりと出てくるようになりますよ。)

 

 

P27 (下から6行目)

“We hit it off straight away, tough.”

 

”click” と同様、“hit it off”も、よく使われます。

My husband didn’t really click with his new boss.

Linda and I really clicked the first time we met.

I met her at school and we just clicked.

 

 

P28 (最後のパラグラフの4行目)

…so together we left school, ambled down the hill to a pool hall on the harbour, and played four games.

 

ここに出ている”amble”は、おすすめ単語です。学校で習わなかったからなのか、英作文で『ブラブラする』も『さっそうと歩く』も”walk”を使っている方が多いです。PLではご説明していたので、重複してしまうかも知れませんが、復習を兼ねて『歩く』関連の語彙を…。

 

My son walks to school.           

交通手段としての『歩く』

 

My baby has just learned to walk.         

歩き方について述べるまでもなく、『歩くことを覚えた』

 

I marched to the office and demanded to see the officer.           

ツカツカと詰め寄る感じがしませんか?

 

They strolled along the beach.  

のんびりと散策していますね。

 

The tiger ambled through the woods.     

急がず、悠々とした感じがしますね。

 

* 翻訳者のJay Rubin氏は米国人なのに、”harbor”ではなく”harbour”と綴っていて、とても疑問に思っていたのですが、裏表紙にポンドで定価が記されているので、どうも英国向けに書かれているようですね。

 

 

…と、このような感じで、Chapter 11まで続きますので、膨大な量になってしまいました。どこから抜粋すべきか随分迷ったのですが、結局選ぶことができず、最初の1/5くらいのところにしました。長くても読んで下さる方がいらっしゃったら、ラインにてお知らせくださいませ。

 

この本の翻訳者Jay Rubin氏について興味を持たれた方は、↓こちらをどうぞ。

en.wikipedia.org

 

あとがき

どうしてもマンネリ化してしまいがちですが、単なる翻訳物ではなく、既に完結した文学作品とも言えるこのおすすめ本は、新たな語彙や表現を取り入れるチャンスです。気に入った表現をノートにメモしたり、何度も音読したりすると、しっかり記憶に固定されますよ。

 

次回予告

次なるおすすめの5冊のご紹介となります。出来る限り異なった分野を取り混ぜて、と考えてはいるのですが、どうしても偏ってしまいます…。リクエストがありましたら、是非ラインでお知らせ下さい!

 

ではまた。