お勧めの英語本5選B-27

Friday, 31st  March 2023          お勧めの英語本5選B-27

 

お薦めの英語本解説02/05

  1. Dear Fatty by Dawn French

『自叙伝にしてしまうと、つまらないことまで書かなくちゃならなくなるから』と、手紙形式にしたとのことですが、楽しくて、とても素敵な自叙伝になっていると思います。

 

 

手紙の形式なので、ストーリーを追う必要はないのですが、人物関係はやはり大切です。新たな登場人物が出てきたら、しっかり把握しながら読み進めましょう。全て網羅してしまうと、またしてもとんでもない長文になってしまいますので、お薦め中のお薦めだけを選びました。

 

メモ

French一家について、ざっくり背景を。王立空軍に勤める父の転勤のため、幼い頃から全国各地を転々としてきました。お父さんは若くして亡くなっており、兄のGaryには、JackとHannah(Dawnさんにそっくりのようですね)という二人のお子さんがありますが、Dawnさん自身に子供はなく、養子縁組をしたBillieという女の子とご主人の3人家族です。(残念ながら、ご主人とは離婚されています。)

 

Dear Dad

pp11-16

Dawnが4歳くらいだった頃、French一家はQueen Mother*のご訪問を受けます。失礼のないようにと、家族全員で家をピカピカにし、新しい服を買って、お辞儀の練習を始め、エチケットの猛特訓が続きます。『どうして”Queen’s Mother”じゃなくて、”Queen Mother”って言うんだろう?』本当にそう思いますが、世継ぎの母親は習慣的に、そう呼ばれています。それをもじって、この手紙の中では、自分の母親の事を”Dawn Mother”と呼んでいますね。幼いDawnは、疲れと眩しさから幻覚を見て、Queen Motherが魔女だと思い込んでしまいます。話しかけられても、ろくに答えることも出来ず、Dawnはお父さんの足に捕まって、ガタガタ震えることしかできませんでした。

 

* Queen Motherは昨年お亡くなりになった、Queen Elizabethのお母さまにあたります。ご興味ありました、らこちらをご覧ください。Queen Motherはなんと157cmと、本当に小柄だったようですね。

www.royal.uk

 

 

Dear the Monkees

Pp23-24

11歳のDawnに戻って、あこがれのアメリカのボップグルーブのMonkeesへのファンレターを書いていますね。英語が母語であっても、11歳だとこういった間違いがあるのでしょうか?楽しく読みながら、驚きの間違い探しをしてみて下さい。

 

同年代のグループだと、どうしてもBeatlesばかりに気を取られてしまっていて、Monkeesのメンバーの一人がマンチェスター出身であることすら、知りませんでした!

 

ふと自分が11歳の頃を思い出してしまいました。当時はBay City Rollersが大人気で、小学生で英語も全く分からないくせに、『Ericカッコいい!』などと大騒ぎしていました。11歳って、そういう年齢なのかも知れませんね…。

 

 

Dear Dad

Pp68-77

家族旅行を計画中の、Dawnさんの悩みは、どうやって、趣味は好きなことがバラバラな家族が楽しめるようにするかです。ご自身の幼い頃の家族旅行は、とても楽しい物だったようですが、最近の子供達は自然と触れ合うことに興味がないのですね…。旅行のトピックから始まって、旅行中ではなくても、日常生活ですら、プライバシーを侵害される、有名人特有の悩みが描かれています。新婚旅行では、海外のホテルに泊まっても、部屋までパパラッチが入ってきてしまうし、娘さんの運動会を見に行ったら、構内アナウンスで『セレブのDawn Frechさんが来て下さっています!』と言われてしまうし…。もしかしたら、家でゴロゴロしているのが一番かも知れない、と締めくくられていますね。

この本は2008年に書かれているのですが、その頃既にFacebookPlayStationiPodがあったんですね⁉随分昔に感じてしまいます。

 

 

Dear Parents of everyone I ever babysat for

pp148-150

ベビーシッター中にやらかした、罪深い珍事悪事の数々の告白です。こんなことまで…!?というものもあれば、その位は大目に見てもらえるでしょう、という他愛のないものまで、30項目にも渡って書かれています。笑いが欲しい時に、サクッと楽しく読めますよ。

 

以下、366ページのDear Fattyまで続きますが、文字数の関係で割愛させて頂きます。長文も大丈夫だという方は、LINEにてご連絡下さいませ。

 

この本のタイトルでもある”Dear Fatty”の” Fatty”、誰の事だと思いますか?気になる方は、是非読んでみて下さい!

 

あとがき

この著書の他にも、”Because of You”という本を書かれているようです。相方のJenniferさんも、本を出版されていたのですね。

www.youtube.com

 

テレビで初めて”French and Saunders”を見た時の衝撃は、忘れられません。それまで、UKのコメディにはなぜか馴染めなかったのですが、こんなにも面白い人たちがいるんだ…と。”Absolutely Fabulous”も楽しかったですが、Frenchさん単独の”Murder Most Horried”は、普通のホラーものとは全く違う種類の怖さが病みつきになりました。ご興味のある方はこちらをどうぞ。↓

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次回予告

来月末は、P.D. James”Original Sin”です。少々分厚いのが難点ですが、一週間の電車通勤往復にはちょうど良い感じです。薄い本だと、何冊か用意しなくてはならず、途中で読み切ってしまった後、退屈で退屈で…。”Sudoku”やクロスワードもカバンに入れると、結構な重さになりますが、最近は若い方が席を譲って下さるので、有難くお言葉に甘えております。歳を取っても、悪い事ばかりではないですね!

 

ではまた。