お勧めの英語本5選B-28

Friday, 28th April 2023     お勧めの英語本5選B-28

 

お薦めの英語本解説03/05

  1. Original Sin by P.D. James

内容もさることながら、美しい文章にグイグイ引き込まれてしまい、時間を忘れて電車を乗り過ごす、ということが重なり、ミステリー小説を読む時は、アラームを設定するきっかけになった一冊です。

 

人物関係をきちんと把握して、ストーリーを追いましょう。難しい表現や、馴染みのない単語は無視しても大丈夫です。よく見掛ける単語、どうしても気になるものだけ確認する程度にしましょう。

 

メモ

Chapter 1

主人公のMandy Priceは、パート勤務の初日に出勤して間もなく、死体に遭遇してしまいます(p13)。派遣会社に登録している速記のタイピストで、有能な腕とは裏腹に、かなり奇抜な格好を好んでいますが、なかなかしっかりした女性のようですね。死体発見直後にも関わらず、経営者の一人であるMiss Etienneに、タイピングのテストを受けるよう指示され、別室へと連れられて行きます。

 

 

Chapter 2

Claudia Etienneに別室に連れられて行くMandyを、上階で見ていたのは、Claudiaの弟で、最高経営者であるGerard Etienne。Mandyのことが気掛かりのようです。2人は、Sonia Clementsの自殺の原因は、この会社を解雇になったことではなく、ある事件に関わりがあったからではないか、と憶測します。相談の結果、昨晩遅く、最後に生きているSoniaをClaudiaが目撃したことについては、警察には言わないことにします。

 

 

Chapter 3

Mandyが別室でMiss Blackettからタイピングのテストを受けていると、お茶を持った女性が現れ、警察が到着したことを知らせます。そんな状況にも関わらず、Mandyは馴染みのある、蛇の形をしたドアのストッパーが気になります…。テストに合格したMandyは、明日から出社することに。

 

 

Chapter 4

Sonia Clements の死後10日が経過した頃、友人で出版社の編集者であるAckroydに昼食の誘いを受け、Dalgliesh警部がクラブに向かいます。かなり大柄なAckroydですが、活動的でいつ見ても若々しいそうですね。晩婚で、妻のNellyと2匹のシャムネコと暮らしています。Dalglieshはそこで、Ackroyd の妻の伯父にあたるLord Stilgoeが、脅しを受けたと伝えられます。Lord Stilgoeが受け取った脅しの手紙を、妻のDorothyは公にしたいと考えています。3件の死亡事故の前例もあり、個人的な攻撃というよりは、出版社への攻撃であると考えられます。

 

 

Chapter 5

Gabriel DauntseyとFrances Peverellが、タクシーでClements の葬儀に向かいます。お互いに好意を持ち、窓から様子がうかがえるほど近くに住んでいるにも関わらず、親しくなることを避けてしまっているようですね。妻子を亡くしたDauntseyは既に76歳。この日ばかりは一人ではいられないであろうとの配慮から、DauntseyはFrancesを訪れ、2人はチェスをして夜を過ごすことに。

 

 

Chapter 6

Blackettは、未亡人で年上の従弟Joan Willoughbyとフラットをシェアしています。面識のないSonia Clementsの自殺を伝えると、いつものように議論展開。『もうあの会社では働けない』というBlackettに、Joanはいとも簡単に『辞めてしまったらどうか?少なからず年金は入るだろうし、どこかにパートに出ても』と提案します。これ以上話しをしても無駄だと悟ったBlackettは、話を切り上げます。

 

Henry Peverellが心臓発作を起こした朝、急いで救急車を呼んだこと、お見舞いに行こうと、Francesに面会時間について訊ねたことなどを思い出します。集中治療室から出られそうだと聞いた矢先に、2回目の心臓発作で、Henry Peverellは帰らぬ人となってしまったのでした。

 

 

Chapter 7

Sonia Clementsの葬儀の帰り、James de Wittは誘いを断り、一人で帰途に着きます。代母から譲り受けた家屋は彼の誇りですが、不治の病で余命いくばくもないRupert Farlowと暮らし始めてからというもの、静寂は失われ、秩序も乱れ始めてしまいます。文才に恵まれながらも、Rupertが出版したのはたった2冊(ともにPeverell Press出版)。その後エイズに感染、放浪の旅に出た後に帰郷したことをFrancesから聞きつけたJamesが、Rupertを訪ね、人生の最後のステージを、施設ではなく、自分の家で送ってはどうかと誘ったのでした。

 

 

Chapter 8

Claudiaは葬儀の直後、恋人宅で過ごしています。骨董品の売買をしている恋人Declan Cartwrightとの出会いは、地下鉄事故でした。プロポーズされたこともあったのですが、慎重なClaudiaは簡単には受け入れません。フィアンセとして父親に紹介されていて、暫く前から、住居兼職場である家屋を、弟のGerardに£350,000-で買い取って欲しいとせっつかれています。

 

 

Chapter 9

Dauntseyはチェスの試合が終わるや否や、Frances 宅を後にします。一人っきりになったFrances は、疲れ切って眠れそうにもありません。昔のことを思い出します。引っ越ししてきた当時の事、5歳の時に母が亡くなって以来、Nanny Bostockに身の回りの世話をしてもらっていた頃のこと、Peverell Pressに入社して間もなく、Gerardに求められ、3ヶ月で捨てられたこと…等々。

 

 

Chapter 10

新しい職場でのMandyの勤務は、自殺に始まり他殺に終わったそうで、なんとも大変な四週間だったようです。契約社員歴3年目で、仕事の呑み込みも早く、なんでもテキパキとこなせるMandyは、その他の雑務も自ら率先し、梱包担当のDave, Carl, Ken達にお茶を出したり、訪問者に対応したりと大活躍です。給湯室の責任者Mrs Demeryと親しくなり、GerardとFrancesの関係、Claudiaと年下で骨董商の彼氏のこと様々、社内の噂話を聞きます。

 

Chapter 11

10月14日木曜日、Gerardの職場での一コマ。仕事中に、恋人Lucindaとの週末のことをぼんやりと考えているようです。

 

 

Chapter 12

重役会議が開かれ、いままで書記を務めてきたBlackettは、Gerardから席を外すように言われます。社外秘の内容であることに加え、アリバイがないから疑わしいという理由ですが、それは誰にも言えること…。Sydney Bartrum, George Coperandなど長年勤めて来た社員達の解雇、Esmé Carlingの最終作の出版取り止め、悪評高きSebastian Beacherの競合からの引き抜き等々、Gerardは次々とビジネスのアイディアを展開し、Innocent HouseをHector Skollingも売却すべきだと主張します。これに対してFrancesは『Innocent Houseは売却させないわ。私かあなたか、どちらかが死ぬまではね』と言い放つのでした。何とも物騒ですね…。

 

Chapter 13

Esmé Carlingが、突然Innocent Houseに現れます。出版取りやめの知らせを聞きつけた様子で、『予約なしでは面会できない』と断って逆鱗に触れてしまったBlackettは、Henry Peverellから、いかに疎ましく思われていたか等々をCarlingから聞かされ、一触即発の危機に…。奇跡的に最悪の事態は免れますが、Blackettは、会議を終えてやってきたGerardに泥棒呼ばわりされます。紛失した手帳の管理責任を問われているのを、面白そうに見ているClaudiaを見て、Mandyは大人の世界の醜さを学びます。

 

 

Chapter 14

Declanとの約束の日。骨董品店の買い取りを拒否され、社内で口論となったClaudiaが、18歳も年下の良家の女性と結婚の結婚を考えているGerardに、釘を刺します。『彼女に本当のことを言うつもりなのか?』弟に向かって言った気になる一言が、事件の重要なカギとなっていますね。一方Gerardは、さりげない様子で、『さっきまた脅しがあった』と、(おそらくCarlingからの)ファックスでの恐喝についてClaudiaに伝えます。Carlingを厄介払いしたがっているGerardですが、そう簡単に引き下がる相手ではないから、気を付けるようにとClaudiaから忠告を受けます。

 

 

Chapter 15

パブで行われた詩の朗読会の帰り道、タクシーを諦めて徒歩で帰途に着いたDauntseyは、何者かに襲われてます。財布を奪われたようでした。サインをもらおうと追いかけて来たファンに偶然助けられ、病院に運ばれました。

 

 

Chapter 16

翌日の10月15日金曜日の朝。Blackettは休みたい衝動をこらえて出勤しますが、通勤途中も心ここにあらず。出勤用ボートに乗り合わせた同僚達も、様子が変です。James が皆に、Dauntseyが強盗に遭ったことを知らせます。

 

 

Chapter 17

ボートを降りて建物に入るや否や、約束の時間を過ぎて待たされて、イライラした様子のLord Stilgoeが、Gararedが行方不明であると公言します。施錠はされていたものの、防犯アラームは設定されておらず、灯りは点いていなかったとGeorge。Mrs DemeryとClaudiaが階上に向かいます。Mrs Demeryは、Gerardが何者かに殺されたことを伝えます。蛇のドアストッパーで首を絞められ、蛇の頭部はGerardの口に詰め込まれていました。James, Lord Stilgoe, Dauntseyが上階に向かいます。

 

戻って来たLord Stilgoeは、オペレータのGeorgeに、ロンドン警視庁に連絡して、責任者もしくはDalgliesh警部を呼ぶように言いつけます。

 

ここまでがBook Oneです。この後Book TwoからBook Fiveまで続きます。またまた長くなってしまいました。続きを読んでみても良いかな、と思われましたら、ラインでご連絡頂くか、本書を手に取って、是非ご一読下さい。

 

あとがき

犯罪小説の女王と呼ばれたP.D. Jamesさんですが、かれこれ10年ほど前に、新聞で訃報を知った時は、大変残念でした…。

 

P.D. JAMES’ ADAM DALGLIESH BOOK SERIES IN ORDER

greatbritishbookclub.com

 

Dalglieshシリーズの他にも著書多数です。

www.bookseriesinorder.com

次回予告

来月末は、Mary Pope OsborneとNatalie Pope Boycek共著の”Sabertooths and the Ice Age”です。かなり古いですし、悲しいことに、Magic Tree Houseシリーズ自体が図書館から撤去されてしまいましたが、古本を探してでも、是非読んで頂きたい一冊です。

 

ではまた。