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Sunday, 31st October 2021 

お勧めの英語本解説03/05

  1. Put on by Cunning by Ruth Rendell

 

今回は、内容と言うよりは、読み方をシェアさせて頂きます。

 

 

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概要

Part 1

Chapter 1: Manuel Camargueについて

楽家で、結婚を間近に控えているCamargueは、犬の散歩中、何者かに殺されてしまいます。

 

<読み方>

教会で、Manuel CamargueがSheila Wexford(Inspector Wexfordの娘)を見掛けます。これにより、この二人は、面識があるのだと分かります。外ではTed Hicksが車を停めて、Manuel Camargueを待っています。5行後(11ページの2行目)の言葉遣い(“There you are, Sir Manuel….”)から、Ted Hicksが、使用人であることが分かります。また、Manuel Camargueのおおよその社会的地位も分かります。

 

後で探すのが簡単なので、読みながら付箋を付けています。特に推理小説は、小さなことでも見逃してしまうと、正しく推理できないので…。最初のパラグラフはとても大切なので、丁寧に読みましょう。それ以降も、なんとなくピントきたら、付箋を付けておくと、後で再確認できて、『あぁ、やっぱりそうだったんだ!』と納得できます。

 

Chapter 2: Sheilaについて

Inspector Wexfordの次女Sheilaが帰宅しています。彼女も結婚直前。偶然にも、Manuel Camargueの婚約者は、Sheilaの同級生でした。カップルの歳の差は、ほぼ50歳です。Manuel Camargueの一人娘で、偶然帰国していた、米国在住のNatalie Arnoも聴取されます。事情聴取がありますが、この段階では、Manuel Camargueの死は自然死(凍死)と裁定されます。情報交換のため、Inspector Wexfordは部下のMike Burdenと、Mr Haqの経営する、行きつけのアフリカ料理店”Pearl of Africa”で待ち合せます。

 

Chapter 3: Dinah Sternhordについて

Sterries(Manuel Camargue邸)が空き巣狙いに入られます。Inspector Wexfordが現場に向かいます。同署から派遣された現場検証の警官は、既に捜査を始めていました。

年の差はあっても、Manuel Camargueとの結婚が決して財産目当てではないこと、婚約指輪とManuel Camargueが飼っていた犬以外、遺産を全く相続できないことなども記されています。

 

Chapter 4: Zoffany夫妻について

Sterries で捜査中のInspector Wexfordは、Manuel Camargueの一人娘のNatalie Arnoに会います。Natalie Arnoは、父親の死の直後から、既にSterriesに滞在しており、何故か友人夫妻をSterriesに招いていました。

 

Chapter 5: Natalie Arnoについて

若くしてアメリカ人と結婚して渡米するも、夫に先立たれて、未亡人となったNatalieは、複数の男性と関係を持つなど、恋愛に関してかなり自由奔放のようです。何故か亡き父の邸宅に、父の死後間もなく、友人夫婦Ivan Zoffany とJane Zoffanyを滞在させています。

 

Chapter 6: Natalie Arno偽装者説浮上

Inspector Wexfordは、Dinah Sternhordから、Natalie Arnoが偽装者である可能性について聞かされます。

 

Chapter 7: Manuel Camargueの遺産相続について

Sheilaの結婚式がありました。このchapterから、Mike Burdenが再婚したことも分かります。娘の新婚旅行に刺激されて、Doraの旅行熱が始まります。Manuel Camargueには、Mademoiselle Tereseという姪がいることも判明します。Natalie Arnoに次いで遺産を相続するのは、この姪です。

 

Chapter 8: Natalie Arnoの過去について

Natalieについて悪印象を持つ者の一人、Mrs Mountenessing登場。

 

Chapter 9: Phillip CoryとBlaise Coryについて

次々とNatalie本人を証明する書類が揃い、Cory父子のように、本人説を証言する者も出てきますが、Inspector Wexfordは依然、Natalieが本人であるかどうかを、疑問視しています。

 

Chapter 10: Natalie Arnoの身元確認

Natalie Arnoが本当にManuel Camargueの娘であれば、幼少の頃から、語学と音楽の特別レッスンを受けていたため、ヴァイオリンが弾けるはず。弾かせようとヴァイオリンを持ち込みますが、ワイングラスを割ってしまって、指を怪我してしまいます。

 

Chapter 11: Natalie Arnoの身元確認その2

Mrs Mary Woodhousや音楽教師Mavis Rollandらに、Natalie Arnoについて聞き込みをします。旅行がしたいと妻のDoraにせがまれたInspector Wexfordは、旅行代理店に向かいます。最終的に決めた行き先はカリフォルニア。

 

Part 2

Chapter 12: Jane Zoffanyの心痛

Jane Zoffanyから、夫のIvan ZoffanyがNatalie Arnoと関係を持っていたと聞かされて、ショックのあまり何も持たずに、家を飛び出したのでした。たまたま居合わせたInspector Wexfordが、経緯を聞かされます。

 

Chapter 13: Inspector Wexfordのアメリカ旅行(捜査)

Inspector Wexfordは妻のDoraを連れ、旅行と称して、個人的にアメリカで調査を進めます。

 

Chapter 14: Inspector Wexfordのアメリカ旅行(捜査)その2

Doraにせがまれて泊まったホテルは、Inspector Wexfordがずっと探していた情報を持ったカップルが経営しているホテルでした。

 

Chapter 15: Inspector Wexfordのアメリカ旅行(捜査)その3

ホテル経営者のカップルから聞くところによると、2人の旅行中に、Natalieはボーイフレンドと共に、引き払ったようです。また、近所で溺死事件がありました。

 

Chapter 16: Inspector Wexford帰国

Jane Zoffanyが行方不明になり、捜索が始まります。Natalie Arnoは、荷物を貸し倉庫に運び込む指示を出し、旅行に出掛けます。

 

Chapter 17: Sterriesの家宅捜索

Sterriesの家宅捜索が始まります。カリフォルニアで溺死した女性の身元についての通知があります。Teresa (Tessa) Lanchesterという、30歳の独身女性でした。

 

Chapter 18: 貸し倉庫の家宅捜索

溺死事件の魏税者Tessa Lanchesterについての記述があります。保管されていたSterriesの家具から、Natalie Arnoの死体が発見されます。

 

Chapter 19: Natalie Arnoの訪問者

Inspector WexfordによりJane Zoffanyが、旅行中の姉夫婦の家にこもっていることが分かりました。Mrs Hicksが、旅行直前にNatalie Arnoに男性の来客があったと証言します。Mike Burdenが事件に至る仮説を立てます。大変込み入った、緻密な計画による犯罪であるというのが、Mike Burdenの見方です。

 

Chapter 20: Inspector Wexfordフランスへ

Manuel Camargueの姪Mademoiselle Tereseを訪ね、Inspector WexfordはMike Burdenを引き連れてフランスへ。

 

Chapter 21: Mademoiselle Tereseについて

決して美しいとは言えないMademoiselle Tereseに、ボーイフレンドがいました。Inspector Wexfordの仮説が記述されています。エンディングはかなり近いのですが、Mike Burdenの仮説と真反対に、大変シンプルな、行き当たりばったり的な犯罪だという見方です。

 

Chapter 22: 事件解決

いつものように、Pearl of Africaで食事をするInspector WexfordとMike Burden。事件の真相が明らかになります。意外な人物が犯人でした。

 

あとがき

概要には、敢えて真犯人を登場させていません。ミステリーがお好きでしたら、是非是非、読んで頂きたい一冊です。文学的な美しさも味わえます。

 

 

次回予告

来月末は、Agatha Christieの“And Then There Were None”の解説になります。

 

ではまた来月末に。