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Wednesday, 30th June 2021 

お勧めの英語本解説05/05

  1. King Lear / retold by Andrew Matthews ; illustrated by Tony Ross

 

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登場人物

King Lear – Britainの国王(”Britain”については、またあらためて)

Cordelia – King Learの末娘、

Goneril – King Learの長女で、Duke of Albanyの妻

Regan – King Learの次女で、Duke of Cornwallの妻

Earl of Gloucester – King Learの旧友、支持者

Edgar – Earl of Gloucester の息子

Earl of Kent – King Learの忠実な家臣

Edmund – Earl of Gloucester 私生児

 

あらすじ

退位を目前に、3人の娘達に国土を分割して与えようと考えていたKing Learは、最も豊かな地区は、自分のことを最も愛する者に与えるので、各々の思いを述べよと命じます。長女でDuke of Albanyの妻であるGonerilは、『言葉では言い表せないほどお慕い申し上げています』と言います。Duke of Cornwallの妻で、次女のReganは、『勿論、私の愛の方が姉さんよりも深いわ。お父様の幸せこそが私の喜びです』と。ところが、King Learの一番お気に入りで末っ子のCordeliaは『何も言うことはありません』と言うのです。怒ったKing Learは、『何も言わぬ者には、何もやらんぞ!言うべきことをちゃんと言え!』と迫ります。しかしCordeliaは、『無意味な美辞麗句を並べて、へつらうようなことはできません。娘として当然のこととして、父上をお慕い申しているだけで、それ以上でも、それ以下でもないのです。』これを理解できないKing Learは、Cordeliaを勘当してしまいます。権力をGonerilとReganに譲渡し、Cordeliaの分の領土まで2人に分け与えたKing Learは、公式に退位を宣言した後でさえ、思いとどまらせようと助言したEarl of Kentを追放します。

 

国王としての権力を持たなくなった後でさえ、Earl of Kentを追放したKing Learは、この先もいろいろと干渉してくるに違いありません。しかも、最愛の末っ娘を無一文で勘当するとは、分別がなくなってしまったに違いありません。退位したKing Learはこの先、自分達の所に、一月づつ滞在するのです。GonerilとReganは、共謀して、いかにして父親を封じ込めるかを、策動し始めます。

 

儀式の後で城に戻ったEarl of Gloucesterは、『何と言うことだ!Earl of Kent は罷免、King Learは譲位…。一体どうなってしまったのだ?』と思いに耽ります。近年になって妻に先立たれたため、隠し子のEdmundを海外から呼び戻し、Edgarと引き合わせていたEarl of Gloucesterですが、Edmundの企みに引っかかり、実の息子Edgarが自分を殺そうとしていると思い込まされ、Edgarを勘当してしまいます。私生児であることで、軽んじられてきたEdmundは、この後も着々と陰謀を企てます。

 

一方、Earl of Kent はと言えば、頭を丸刈りにして別人を装い、新たな家臣としてKing Learに仕え始めます。GonerilはKing Learのやることすべてが気に入らず、King Learに辛く当たります。耐えかねたKing Learは、Reganのもとに身を寄せようとします。ところが、Gonerilから受けた仕打ちを訴えるKing Learに、Reganはさらに酷い言葉を浴びせます。退位直前に二人から聞かされた言葉が嘘であったと悟ったKing Learは、怒りのために気が触れてしまい、嵐のを中さ迷い歩きます。

 

雨宿りをするために、KentがKing Learを納屋まで連れてゆくと、そこにEarl of Gloucesterが現れます。King Learを守るために、CordeliaがDoverまでフランス軍を進軍させていることを知らせに来たのです。(この時Cordeliaは、フィアンセだったThe French Kingと既に結婚していました。)城に戻るやいなや、Earl of GloucesterはReganとDuke of Cornwallに捉えられ、謀反を企てたとして、両目をえぐられる拷問を受けます。一連の動きについては、EdmundからReganとDuke of Cornwallに、密告されていたのです。Earl of Gloucesterは、ここで初めてEdmundの陰謀を悟るのでした。あまりの惨い仕打ちに、Duke of Cornwallの家臣がEarl of Gloucesterへの拷問を止めようと間に入り、殺されてしまいますが、その際に重傷を負わされたDuke of Cornwallも、間もなく死んでしまいます。

 

3日後、Dover付近の牧場で目を覚ましたKing Learは、傍らにいたCordeliaを幻かと疑いますが、本人だと気づくと、子供の様に喜んで許しを請い、2人は和解します。ところが残念なことに、2人の幸せは長くは続きませんでした。AlbanyとCornwallが同盟を結び、Edmundが加勢したイギリス軍が、フランス軍を破ると、King LearとCordeliaは捕虜となり、Edmundに捕らえられてしまいます。

 

またEdmundは、GonerilとReganに言い寄り、巧みに二人を憎しみ合うように仕向けます。GonerilはReganに毒を盛ってしまいます。Edmundが、妻のGoneril に恋文を送っていたことを知っていたDuke of Albanyは、Edmundに決闘を申し込みますが、そこに現れた、ヘルメットで顔を隠した謎の人物が、Edmundを倒します。

 

謎の人物はヘルメットを外し、虫の息のEdmundに正体を明かします。なんとそれは、Edgarでした。『お前の裏切りのせいで、父上が悲痛の死を遂げたんだぞ。仇はとらせてもらった!』とEdgar。そこに使いの者が現れ、Reganの死とGonerilの自害を知らせます。叫び声が聞こえ、振り向けば、そこにはCordeliaの亡骸を抱えたKing Learが…。生前Edmundにより、Cordeliaに絞首刑が命じられていたのです。嘆き悲しむKing Learですが、一瞬目の錯覚でCordeliaが息を吹き返したと思い込みます。そして間もなく、King Lear はCordeliaの亡骸の上に崩れ落ちて、絶命します。最後にEdgarが言い残した言葉に、一同は共感を覚えるのでした。

 

あとがき

チャプターに分かれていないため、日にちを跨いで区切って読むことには、あまり向いていないかも知れません。一方、シンプルな現代英語で、細かな経緯や、どろどろとした人間関係までは描写されていないので、大まかな流れはつかめます。先ずはこのヴァージョンを読んでみて、興味が湧いて来てもっと詳しく知りたいと思われたら、もう少し詳しく書かれている物を…と順を追って読み進み、最後に原書を、という読み方もあるかと思います。学生時代は、いきなり原書だったため、本当に苦労しました!!

  

次回予告

来月末は、次のお勧め図書5冊のご紹介となります。かなり何冊も英語の本を読まれた方向けになりますが、この中の数冊を最初に読まれて、読破された方もいらっしゃいますので、レベルはあまり関係ないと思います。動画もそうですが、興味と忍耐さえあれば、読書は継続できます。完全に理解する必要はありません。継続さえできれば、後は良いことづくめです。インプットは多ければ多いほど良いですよ。皆さまのご意見を反映したお勧め図書ですので、古い物が多いですが、ご理解頂ければ幸いです。2022年より、徐々に新しい本をご紹介する予定です。

 

ではまた来月末。