隙間時間の英語雑学T-48

Thursday, 5th August 2021   

今週の英語雑学 – “King Lear - 1”

 

リクエストにお答えして、”King Lear”をもう一度。(英文学の勉強ではなく、あくまでインプットと雑学です。Old Englishには触れませんので、何卒ご了承下さいませ...)

 ストーリーを理解するのに、一番お勧めする動画はこちらです。↓

3 Minute Shakespeare: King Lear

www.youtube.com

 

一方こちらは、Dr Aiden教授による、学生のためのテスト用動画のようです。↓

King Lear: 8 Minute Summary (Memorise & Recall)

www.youtube.com

 

Dr. Aiden

f:id:mamatange:20210805173601j:plain

 

 

そして、今回メインとなる、Regina Buccola教授による要約と分析の動画です。↓

King Lear by William Shakespeare | Summary & Analysis

www.youtube.com

 

前半は、概要や登場人物の説明ですね。後半の”Symbols”と”Themes”にスポットを当て、2回に分けてお届け致します。

 

解説    

では早速、6分35秒から始まる、Regina Buccola教授による”Symbols”について。

 

シンボル (象徴)

King Learに登場するアイテム、出来事や状況は、それそのもの以外にも、抽象的な意味合いを持っており、登場人物達によって、しばしば何度か繰り返し、その意味への言及が繰り返されています。

 

王冠

King Learは、王冠だけは残しておき、王国を分割して上の娘達に半分づつ分け与えました。愚か者はこのことを、卵を半分に割ることに例えます。それ単体では価値のあるものも、半分づつにしてしまったら、それぞれ一方には、もはや大した価値はない – それが、King Learのしでかした愚かなことであったと言うのです。

 

嵐と風

King Learの中のいくつかのシーンは、激しい嵐の中で描かれています。嵐は、厳しい障害の象徴でもあるとともに、King Learに対する上の娘達の、残忍な仕打ちでもあります。また、King Learの錯乱した、荒廃状態の心理状態さえも象徴しています。

 

風も同様に、頻繁に言及されています。何世紀にもわたり、風は『変化の風』だとか『風が来た=変化が訪れた』など、抽象的な意味合いを持ってきました。物理的な環境が、個人のみならず社会的に激動をもたらすことを述べる話法です。

 

盲目の状態

見ることができないという状態は、至る所に現れているモチーフです。King Learが、Kentの変装を見破ることができなかった事実など、一時的に見えないとう状態を示す場合もあります。一方、Earl of Gloucesterが受けた仕打ちのように、失明は永久不変の状態です。これ以外に、抽象的な意味合いのものとして、King Learが自分に対するCordeliaの愛情を理解できなかったこと、Earl of Gloucesterが息子Edmundの裏切りを見抜くことができなかったことがあります。

 

手紙

文字も劇中で、頻繁に使用されています。演技だけで表現できない部分を補うのみならず、ステージ上で表現することが困難な場合の、補填的な役割も果たしていました。識字率の低い当時、書くということが、口頭で話すよりも公式であり、それなりの人物間のやり取りに使用され、信頼できるとみなされていた、という時代背景もあります。

 

次回予告

次回は、動画の後半部分の”Themes”についてです。その後イディオムに戻る予定ですが、『ツマラナイ!』という方、リクエストやご提案をお願い致します!

 

ではまた来週。