お勧めの英語本5選B-22
Friday, 29th April 2022
お勧めの英語本解説03/05
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The King of the Cats - "Salem's tails" by Mark Dubowski
本が薄いのもありますが、まだ手の調子が良くないので、今回はちょっと短めになりますが何卒ご了承くださいませ。(短い方が良いとのご意見を頂いてはおりますが…。)
では早速、いつものようにメモを取っていきましょう。
メモ
Chapter 1
主人公のSalemは猫ですが、そんじょそこらの猫とは違います。しゃべれるんです。しかも、本当は魔法使い。世界を制覇しようとした罪で、猫に姿を変えられて、魔法の力も取り上げられてしまったのです。飼い主(?)のSabrinaは、魔女で高校生。同居している二人のおばはZeldaとHilda。学校帰りにSabrinaが持ってきた郵便物の中には、Salem宛てに美術館の”The Golden Nile”展示会への招待状があります。
Chapter 2
なんとZeldaは、およそ900歳。しかも、時空間を超えた移動が出来るため、古代の王様達とも面識があるとのこと。一方Hildaもエジプトのツタンカーメン王に会ったことがあるそうです。王様の墓と埋葬品を盗賊から守るため、呪いが掛けられていることは誰もが知ることですが、『美術館では、金曜日に、呪いがかからないように気を付けるのよ』と、Hildaおばさん。黒猫に姿を変えられてしまったSalemは、呪いという言葉に少々過剰反応してしまうようです。
展示会当日、Sabrinaと2人のおばが美術館に向かいます。ペット厳禁のため、Salemは留守番を言いつけられているのですが、悪知恵を働かせたSalemは、まんまと車のトランクに乗り込んでしまいます。
Chapter 3
美術館に着くとSalemは、招待客の女性の、丈の長いスカートに隠れて、館内に忍び込みます。
Chapter 4
『瓶の部屋』に入ると、猫とネズミが描かれた瓶があります。ヒエログリフの読めるSalemは、『12匹の猫が一匹のネズミを追うのは何時か』という謎かけが書かれているのに気づきます。答えが分からず、その先を読んでみると、なんと『謎解きに答えられるまで、その家は不運にみまわれる』と書かれているではありませんか!
偶然にも、時を同じくして『瓶の部屋』で写真を撮ったSabrinaの、カメラのフラッシュを呪いの閃光だと勘違いして、気絶したSalem。Sabrinaに抱きかかえられ、展示会場を後にします。途中、猫好きな守衛さんが、微笑みながらSalemを触ってきました。帰り道で、タイヤがパンクすると『呪われているんだ』とSalem。
Chapter 5
家じゅうのグラスを全て割ってしまったり、洗濯機から水が溢れだしたり、火災探知機が誤作動したり、郵便受けが壊されたりと、留守中に散々な悪運が起こります。Sabrinaも、呪いがSalemの被害妄想ではなさそうだと感じ、おば達に相談します。残念ながら、呪いを解く魔法なるものはないため、2人のおばは、Salemとともに古代エジプトに答えを探しに行くことに。学校がある日は時空間移動が許されていないので、Sabrinaは留守番です。
* Sabrinaは実は魔女と人間のハーフだったんですね!? (46ページの最後の行に書かれていますね。)
おば達の知り合いの商人Shadから、謎かけの答えが入った小さな壺を譲ってもらうことに。情報漏洩を防ぐため、書面ではなく、壺に音声が入っているとのこと。最後の1つなので、聞き逃しのないように、と言われますが、手渡す瞬間にShadがくしゃみをしてしまいます。その勢いで、壺は飛んで行き、おば達が追いかけるも空しく、壺は落ちて割れてしまいます。あまりにも突然の出来事に、誰もその答えを聞いていませんでした…。
* Salemが猫の姿でいなくてはいけない期間は、100年間なのだそうですね。
Chapter 6
運の悪い出来事が次々と起こり、Salemはとうとう、おば達から、家の中に入ることを禁じられてしまいます。
Chapter 7
庭で寝起きしなくてはならなくなったSalemを、少しでも助けようとSabrinaはあらゆる工夫をします。『助けてくれるのは、謎かけの答えを見つけることなんだけど』とSalem。『それならみんなで考えてるわよ。私なんて、昨日は答えを探し求めて、12時を過ぎるまで起きていたんだから』。するとSalemは、それが謎かけの答えなのだと気付きます!
Chapter 8
『”The Golden Nile”の展示は、まだやっているのか?』美術館の『壺の部屋』で、その壺に向かって謎解きの答えを言わなくてはならないと気付いたSalemが、Sabrinaに訊ねます。カレンダーをチェックしてみると、なんと今日の6時までです!
Chapter 9
そこに2人のおばが戻って来ます。閉館まであと20分しかありません。車では到底間に合わないため、魔法の乗り物で美術館に行きますが、閉館まであと1分だというのに、Salemは何故か雨の中、ゆっくりと入口に向かいます。閉じたガラス扉の内側には、あの猫好きの守衛さんが…。演技力抜群のSalemがニャーと鳴くと、雨でずぶぬれになったSalemを不憫に思った守衛さんが、扉を開けて中に入れてくれるではありませんか!
Chapter 10
中に入るや否や、Salemはいっきに『壺の部屋』に向かって走り出します。部屋の中は暗くても、猫の目には問題ありません。少し間をおいて、守衛さんが追いかけてきますが、曰くの壺の前で答えを大声で言います。壺は粉々に割れるのか…!?という思いとは裏腹に、何事も起こりませんでした。
* Salemが何と言ったのか知りたい方は、是非この本を読んでみて下さいね!
Chapter 11
全てが元通りになり、家の中に入ることを許されたSalemは、Sabrinaに感謝の意を示して、贈り物をします。美術館の通信販売で買った猫の置物です。先についていた針で、指を刺してしまったSabrinaは、思わず『運が悪いわ!』と言ってしまいます。『贈り物は、花の方が良さそうだな』とSalem。一件落着です。
あとがき
既読リストを見てみたら、この本を読んだのは15年も前でした!外国語で読書したら、読んだ日付、タイトルと著者、短い感想を記録しておくことをおすすめします。モチベーションが上がりますし、後々色々と思い出しながら、また楽しめますよ。この本を読んだ後、しばらくの間、黒い野良猫に出会う度に、勝手に”Salem!”と呼んでいたことがあったなぁ、と懐かしい思い出が蘇って来ました。
次回予告
来月末は、次のお勧め図書John Le Carre氏の“Call for the Dead”の解説になります。
ではまた来月。