隙間時間の英語雑学T-63

Thursday, 18th November 2021   

 

今週の英語雑学 – “Warren Buffett's 5/25 Rule Will Help You Focus On The Things That Matter

 

引き続き、元気が出る(やる気になる?)シリーズです。ご存知かと思いますが、意訳です。

Warren Buffett's 5/25 Rule Will Help You Focus On The Things That Matter

www.youtube.com

 

 

Warren Buffettdさんの5/25 の法則で、真に対処すべき問題に専念』というような感じのタイトルですね。

 

日本語的には不自然ですが、文頭からブロックに区切って、意味を取ると

 

Warren Buffett's 5/25 Rule/Will Help You/Focus On The Things/That Matter

Warren Buffettdさんの5/25 の法則が/あなたを助けるであろう/物事にフォーカスするのに/本当に重要な

 

と言う感じになりますね。

 

余談ですが、“help”の後ろの”you”の次に来るはずの”to”が省略されていますね。(この場合の”to”はなくても良いので。)また、“that”以下で、その直前にある”things”について説明していますね。”things”と複数形なので、動詞”matter”に”s”が付いていなくて、ぱっと見た瞬間、”matter”の品詞が分かりにくいかも知れませんが。同じような文章の構造で、少し分かりやすい文章を見てみましょう。↓

 

This rule will help you to focus on the thing that matters the most.

この法則が、あなたが一番重要なことに専念することを手助けします。

 

文章全体の意味が把握できれば大丈夫です。最終的に、自然な日本語にしようとしない方が良いです。

 

要約    

世界的に成功している投資家のWarren Buffettさんは、60年の経験を活かし、ただ単に長期的な投資の見通しを立てることに長けるているだけではありません。どうすれば人がよりよく生きられるかについても、常に熟考し続けています。

 

次のエピソードに、成功の秘訣のルールが現わされています。

 

Buffettさんはある日、10年来専属専用パイロットをしているMike Flintさんに、どうしたら目標達成の手助けができるかを尋ねます。

『君がいまだに(私の元で)同じ仕事をしているということは、上司として、私が至らないようだな。』

そして、Flintさんの目標達成の綿密な計画を立てるため、シンプルな演習が行われるのですが、それにより、Flintさんの物事の優先順位の付け方が、一転してしまいます。

 

5/25 の法則

最初のステップは、近い将来、実現させたいと願う25項目を、リストアップすることでした。次に、それを重要度の高い物から順に並べ、最重要項目5つに丸をつけてもらいます。その作業が終わるや否や、Buffettさんは、丸を付けなかった20項目についてはどうするつもりかと、Flintさんに訪ねます。Flintさんは次のように答えます。

 

『上位5つの項目が最も重要ですが、それ以下の項目もかなり重要なので、折を見て出来る限りのことをして、それなりの努力は続けたいと考えています。』

 

するとBuffettさんは、やや厳しい表情になって、『いやいや、それは違うな。丸を付けなかった項目には、全く着手すべきではないのだよ。上位5項目を達成してしまうまでは、それ以外の事は、考慮すらすべきではない。』と言うのです。

 

選択して集中することの大切さ

現代社会は、今までにないほど選択肢に溢れかえっており、一つの事に集中することが大変困難になってきています。この先、選択肢は減少するどころか、増加する一方でしょう。まさにこれこそが、トップレベルに到達できない主要な原因です。

 

物事を達成するためには、それ相当の機会への投資が必要です。単一の事に専念することなくして、成功はあり得ないのに、何か別の事をしようとして、そのために時間と集中力を使ってしまい、本当に重要なことに割り当てられなくなるのです。

 

成功するためには、少数の項目に絞り込んで、時間を捻出し、何倍もの努力をして、上達する努力を継続しなければならないのです。これは、Cal Newport氏が著書”So Good They Can’t Ignore You”で述べている『職人気質』です。

 

職人達は、通常、弟子として師匠に従事し、基本を学びます。何年もの長い月日を費やして、徹底的に基本をマスターできて初めて、自分のスタイルや好みを加えて、作品にニュアンスを持たせるようになります。それが出来て初めて、一流の職人となります。時間を掛け、わき目も降らず、ただ一つの事に一心に集中し続けて、それを成し遂げるのです。

 

Buffetさんは、5/25の法則をキャリアに関連させて述べていますが、自分としては、それはキャリアのみのとどまらず、自身の健康や、他人との人間関係、その他の個人的な目標達成など、全ての事に当てはまるのではないかと考えています。

 

本当にそれを実行するのか

そうであれば、選択の余地もない、退屈な人生になってしまう、と思ってしまいますが、そんなことはありません。5/25の法則のたった一つの条件は、6項目以下のことに着手する前に、上位5項目を達成するということのみです。

 

やりたいと思った様々なことを、もう一度見直してみましょう。外国語をマスターしたかった、楽器が弾けるようになりたかった、商売を始めたかった、武術をマスターしたかった、世界中を旅行をしたかった…。ところが、実際のところ、なかなかできないままです。つまり、そういったことは、本当は自分にとって、それ程重要ではないのです。時に便利だったり、カッコ良かったりするので、やってみたいと思うだけで、やり遂げようとするまでの動機付けには至らないのです。

 

例えば、外国語を10ヶ国語マスターしたいと思っても、毎週末、文法の勉強ばかりに明け暮れるのは、退屈極まりないですし、家族や仕事など、もっと大切なことがあるため、結局のところ、勉強に集中できず、効率も悪く、時間ばかりが掛かってしまうのです。

 

その一方で、出来ないことを並べたリストが長くなり、ストレスや後悔の念が、心に重くのしかかって来ます。何かをすれば、何らかの利益があるのではないかと、考えてしまう結果、こうなってしまうのです。

 

Paretoの80/20 の法則からも見られるように、成果のほとんどは、我々が行う様々な行為のうちの、ほんの一握りの行為から生み出されます。つまり、5/25の法則からはみ出してしまったものは、自分の人生に、ほぼ何の影響も及ぼさないということになります。リストの項目は、追加するのではなく、削除しましょう。

 

本当になすべきことをせよ

5/25の法則は、物事を簡素化することにより、人生をより良く、充実したものにできるという、良い例でしょう。

 

時間と集中力は、もっとも限られた財産です。時間に限りがある中、次から次へと、良い機会が巡ってきますが、その全てが、自分に適切なわけではありません。5/25の法則に照らし合わせて、振るいにかける必要があります。そうすれば、不要な選択肢を削除でき、真に重要なものを見つけ出し、専念できるのです。

 

次回予告

引き続き、インスピレーションを得られそうな動画を取り上げますね。この方向性で良いのかどうか、少々心配です。ご意見、ご希望、アドヴァイスなど頂けると嬉しいです。

 

ではまた来週。