お薦めの英語本5選B-28
Wednesday, 30th November 2022 お薦めの英語本5選B-28
お薦めの英語本解説04/05
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Postmortem by Patricia Cornwell
検視官シリーズ第一弾です。読み始めるや否や、既にドキドキワクワクさせられますが、後半にもなると、もう何もかもほったらかして、とにかく読み続けてしまいます!
主人公の検視官Kay Scarpettaの容姿が、著者とほぼ一致していることや、著者自身がテレビのレポーターだったという経緯もあり、主人公は著者自身をモデルにしたのではないか、と言われています。今まで知りませんでしたが、映画化されているんですね?Angelina Jolieは随分かけ離れているように思えてなりません…。
著者に興味を持たれた方は、こちらをご参照下さい。
では、早速メモを取っていきます。全てのChapterを網羅したら、とんでもない量になってしまったので、重要ポイントだけ抜粋してみます。
概要
Richmondで検視官として働くKay Scarpettaが、殺人課の刑事Pete Marinoに、夜中に呼び出されます。殺人事件が起こったのです。Marinoは、通告者で被害者の夫であるMatt Petersenを疑いますが、Kayは否定。犯人に、腐敗臭にも似た甘い汗のような異常な体臭があること以外に、有力な手掛かりもないまま、残虐な殺人事件が続き、関係者しか知らないような極秘情報が、スクープされます。その頃、Kayの事務所のコンピューターが何者かにハッキングされます。事件の詳細はKayの事務所からリークしたと見なされ、Kayは市警察本部長のDr. Amburgeyから呼び出しを受け、厳重な注意を言い渡されます。そこには、Kayの恋人で、事件を担当している弁護士のBill Boltzも同席していました。
執拗な情報収集で知られるテレビレポーターAbby Turnbull、Kayの姪で、天才少女のLucyが疑われましたが、真犯人は依然として見つかりません。誰が、何の目的でハッキングしたのか?そうこうしているうちに、Abby Turnbullの妹のHenna Yarboroughまでもが犠牲者となってしまいます。
5人の犠牲者になんの共通点も見出せず、苦悩するKayが、最後に辿り着いたのは、5人とも警察に連絡をしたことがあるということ。Marinoから、緊急電話の録音テープを借りて、黙々と手掛かりを探し続け、憔悴しきったKayが自宅に戻り、寝室に入ると、なんと腐敗臭が!!!
この続きは、最終章のChapter 16となります。是非是非、読んでみて下さい。全シリーズ読破したくなること請け合いです。
主要登場人物は、Kayの部下のWingo、秘書のRose、指紋鑑定官Vander、容疑者性格分析官のBenton Wesley、Kayの妹Dorothy、家政婦のBerthaと言ったところでしょうか。
あとがき
このシリーズを初めて読んだのは、30年以上も昔の事です。まだ日本に住んでいた頃だったので、日本語で読んでいます。初めて原書で読んだ時に、和訳されていたMarinoの描写が、原書ととてもかけ離れていたことに、驚愕したことを覚えています。翻訳者さんを悪く言うつもりはありませんが、やはり原書でなければ、存分に楽しめないこともあるのだ、と思い知らされました。読書嫌いの自分を、読書の世界に連れて行ってくれた母に感謝しています。
前置きが長くなしました。概要は出来る限り手短にまとめましたが、もう少し肉付があった方が良さそうでしたら、ラインにてご連絡下さい。
次回予告
次回は、Alex Woolf著”Think about it! Philosophy for Kids”の予定です。
ではまた。
お薦めの英語本5選B-27
Monday, 31st October 2022 お薦めの英語本5選B-27
お薦めの英語本解説03/05
お詫び
大変申し訳ございませんが、再度お薦め図書を変更させて頂きました。図書館には、余裕を持って予約を入れてあったのですが、延長可能期間を過ぎた今も”Postmortem”が返却されていません。その次に予定していた”Think about it! Philosophy”の方も、まだ貸出中のため、来年お薦めする予定だった”Detective’s Handbook”と、急遽入れ替えさせて頂きました。悪しからずご了承くださいませ。
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Detective’s Handbook by Colin King
いわゆる『探偵の(ための)手引書』ですね。子供向けですが、大人でも十分楽しめると思います。内容的には、『ん?』と考えさせられるところもありますが、ユーモアなのでしょうね。
今回もストーリを追うものではありませんので、お薦めの箇所をピックアップしながら、ザックリ解説していきますね。お薦め本をお持ちでない方は、こちらをご覧ください。
今回引用した箇所は、この中からピックアップしました。順序が前後しますが、悪しからずご了承くださいませ。(貼り付け分の文字が見辛いかと思います。お手数ですが上記リンクから、オリジナルをご参照ください。)
解説
P132
匂いや音も含め、どんな些細な変化も見逃さないこと、障害物を越えて悪党を追跡できるよう、日頃から体を鍛えておくこと、聞き込み調査では重要な情報を聞き漏らさない様、慎重に…などなど、優れた探偵になるためのヒントが書かれていますね。(聞き込みについては、次のページに記載されています。)
P6
探偵事務所の設立についてですね。Dodd探偵の事務所を参考にして、悪党を逃さない様、盛りだくさんの仕掛けで対応しましょう。仕掛けを一つ一つ見て行くと、楽しいですね。初版が1991年とかなり古い本なので、録音機器が、携帯やヴォイスレコーダーではなく、テープレコーダーなんです。小中学生諸君から、『それって何ですか?』と聞てしまいます。その他にも、アナログな仕掛けが多く、懐かしくなってしまいます…。
P138
外出時に部屋に忍び込まれたかどうかを、見つける方法ですね。靴跡が残るようにパウダーを蒔いておく、触ったことが分かるように、開いた本のページに髪の毛を置く、自分だけに分かるような間隔で引き出しをほんの少しだけ開けておく、自分だけに分かるようなやり方で封筒を並べて置き、その上に細かな紙切れを少し置いておくなどなど、読んでいると楽しくなります。文法など考えていなくても、髪の毛一本と言う時は”a hair”と言うんだな、と自然と頭に入って来ますね。
P10
忍び込まれた形跡を見つけるものですね。左側が忍び込まれる前、右側が忍び込まれた後の図です。何が盗られたのか、何がすり替えられたのか、何に触ったのか見つけられますか?最低20ヶ所あるそうですが、残念ながら答えが載っていませんでした。小中学生諸君と一緒に読んでいると、英語そっちのけでのめり込んでいて、とっても楽しそう!決まって『来週もこういうのがやりたい!』と、リクエストが入ってしまいます…。
P56
被疑者に対する聞き込みですね。辛抱強く、何度も繰り返して話をさせると、(嘘をついている場合は)話が微妙に変わったり、ついうっかり(言うべきでないことまで)言ってしまうことがある。次のような仕草を見逃さないように!
やましい場合は、目を逸らしたり、顔を赤らめたり、急に怒り出したり、青ざめたりすることが多いが、全く無表情な場合もある。無実潔白な場合は、困惑したり、口数が多くなったりするとのこと。本当かどうかはさておき、『なるほど、この場合には”get”を使って、この場合には”grow”を使うんだ』などと、一歩離れて文法に立ち返るのも良いですね。
あとがき
電子化が進んでいるようで、本の冊数がかなり少なくなり、図書館内も本棚よりもイヴェントのディスプレイやパソコンが増えていたりと、時代の流れを感じます。定められた延長期間を過ぎて、罰金を払ってまでも完読する方がいることを考慮し、今後は、一ヶ月前倒しで予約を入れて対応する予定です。ご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ございませんでした。
次回予告
たった今、図書館から予約本確保の連絡が入りました!ということで、来月末は、一ヶ月遅れでPatricia Cornwell著、検視官シリーズ第一弾の”Postmortem”となります。お騒がせしてしまい、申し訳ございませんでした。
ではまた。
お薦めの英語本5選B-26
Friday, 30th September 2022
お薦めの英語本解説02/05
One Hundred Secret Thoughts Cats Have about Humans by Celia Haddon
お詫び
大変申し訳ございませんが、急遽お薦め図書を変更させて頂きました。
”Horribly Famous (Dead Famous) books (Newton and his falling apple)”を、予約しようとした際、図書館に確認しましたところ、残念な事に、消耗が激しいため、シリーズ全巻撤去したという返信を頂いたのです。(昨年のHolly Webb著Becky’s Terrible Termも同様でした。)
他のお薦め本とのバランスを考慮して、もっと読み易いものをお薦めした方が良いと判断し、今回は“One Hundred Secret Thoughts Cats Have about Humans”と差し替えさせて頂きました。悪しからずご了承くださいませ。猫の目線で書かれた、ユーモアにあふれた一冊です!挿絵もとても良い雰囲気で、愛猫家の心を鷲掴みにしますね…。
物語ではありませんので、内容を追う必要もなく、気に入ったところだけ読んでみたり、分かりにくい所はバッサリ諦めてしまう、など気楽に楽しんで頂けたら、と思います。(外国語だから分からないという訳ではなく、猫好きでない方には理解不能な個所も多いです。)それぞれが短いので、音読練習にも最適です。気に入ったページを読んでいるところ録音して、後で何回も聞き直し、納得のいく読み方になるまで読み込んでいくというものです。くれぐれも、あまり自分に厳しくし過ぎないようにして下さいね。
では、お薦めの箇所をピックアップしながら、内容をザッとメモしていきますね。(翻訳ではありません。)
メモ
『下級な人間達を理解し、養子縁組してあげよう』という、上から目線の出だしで始まっていますね。
P9
人間達は、未だに自分達が猫を飼っていると信じ込んでいるが、実際のところは、猫が人間を飼い慣らしているのだ。機転が利かず不器用ではあるが、きちんとしつけさえすれば、人間はかなり有益なペットになる。
P10
人間を養子として迎え入れてやろうではないか。住む家が必要な人間達は、我々の待機する特別な場所にやって来る。その人間達は、救助を求めているのだ。
気に入った人間を見つけたら、走り寄って行って、スリスリしてやると良い。すぐに反応する人間は、良いペットとなるであろう。
P23
我々猫が、エネルギー摂取(軽食)、エネルギー温存(昼寝)、エネルギー再摂取(軽食)、エネルギー温存(またまた昼寝)と言った具合に、有意義な時間を過ごし、エネルギーを節約している一方で、人間達は仕事や買い物、料理などで、慌ただしくエネルギーを消耗させている。
P28 (ll 5-6)
人間の赤ん坊には、全くヒゲがない。オスの人間には、あるにはあっても、ただボウボウと生えているだけで、動かせないため距離を測ることもできず、全く役立たずだ。
P29
人間の爪は、やたらと幅広で柔らか過ぎて、縄張りの目印さえ残せないから、我々が家具や絨毯を引っ掻いてやらなければならない。それなのに、このせっかくの親切が感謝されないのは、おそらく、我々の行為によって、自分達がいかに劣っているかを意識させられてしまうからだろう。
P39
人間の舌は、ザラザラしておらず、柔らか過ぎるため、自分達で身だしなみを整えることができない。それに加えて、体が欠陥的に硬く、肝心な所がきれいにできない。
P56
子猫がたった数週間でトイレを使えるようになるのに、人間の赤ん坊ときたら、数年も掛かる。
P58
人間達は、加熱調理して肉を台無しにしてしまう。ごくわずかな洗練された人間だけが、我々と同様に生肉を食する。生肉を出すようなレストランは、べらぼうに高い。
P60
ネズミ狩りのやり方を教えてやろうと、食べたいのを我慢して、生きたネズミを持って行こうものなら、図体が馬鹿デカくて腕力もあるくせに、ちっちゃなネズミを怖がって大騒ぎする。大声で叫んで、ソファーに飛び上がる者さえいる。
P61
ネズミ狩りの人間バージョンが、買い物と呼ばれるものだ。出掛けて行っては、後で食べられるよう、缶詰や袋入りの食べ物を持ち帰る。
ネズミが食べられるように人間を躾けるのは無理だが、好みの銘柄のキャットフードを持って来させることはできる。下記の取扱説明書を使って、躾の基本を極めよう。
One Hundred Ways for A Cat To Train Its Human
http://www.amazon.co.uk/One-Hundred-Ways-Train-Human/dp/0340786051
P72-73
テレビだけでなく、人間達はコンピューターにも釘付けになる。コンピューターには、『ネズミ』と呼ばれるものが、取り付けられており、小さなマットの上でそれを使って、いつもなにやら書いている。
我々が人間を、本物のネズミ狩りができるように調教してやれば、人工のネズミなどに時間を費やしていなくても済むのだ。デリートボタンを押してやれば、この非健康的な活動から、人間達を開放してやることができる。
P74
鳥の鳴き声か子猫のような、耳障りな音がするプラスチック製の長方形の物体について。人間達は、なにやら必死にこの物体に話しかけており、驚くことに、その物体はそれに応答しているようだ。試しにこの物体にニャーと言ってやったら、何かが聞こえるかも知れない。
P96
そして、最後はクリスマスで終わっていますね。『我々のために飾りが付けられたクリスマス・ツリー。倒してしまったら、人間達は動揺して騒ぎ立てるが、クリスマスなのだから、許してやろうではないか。』
あとがき
お気づきとは思いますが、“perfect”が”purrfect”となっていたり、’perhaps”が“’purrhaps”となっていたり、”newspaper”が“mewspaper”となっていたり…などなど、猫っぽさに溢れていましたね。
ご購入希望は
https://www.goodreads.com/book/show/1855095.One_Hundred_Secret_Thoughts_Cats_Have_about_Humans
この本のオンライン読書ご希望は
https://archive.org/details/onehundredsecret0000hadd
次回予告
来月末は、Patricia Cornwell著、検視官シリーズの”Postmortem”です。
ではまた。
お勧めの英語本5選B-25
Thursday, 31st August 2022
お勧めの英語本解説01/05
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The Firm by John Grisham
登場人物多数です。それぞれの関わり合いが複雑かつ重要なので、ページ数や名前だけでなく、続柄や所属団体も明記しておくと、戻らずに読み進めます。では早速、メモを取っていきましょう。
メモ
Chapter 1 Mitchell Y. McDeereについて
法学部卒で若くして既婚のMitch (Mitchell)が、メンフィスにオフィスを構える法律事務所に、採用されようとしています。妻の名はAbby。
Chapter 2 法律事務所Bendini, Lambert & Lockeについて
新卒の採用として司法試験に合格することが大前提ですが、年俸が良いだけでなく、新入弁護士にBMWを貸与したり、リゾート地にある特別施設を家族で利用出来たり、住宅購入助成金を融資するなど、大変羽振りのよい事務所のようです。家族ぐるみの付き合いが既に始まり、Kay(若手弁護士Lamar Quinの妻)がAbbyをランチに誘ったり、家に招待したり…。
Chapter 3 法律事務所Bendini, Lambert & Lockeについて
ところが、上手い話の裏には裏がありそうな様子が、40ページ目くらいから、出てきますね。『Mitchが何か疑っている様子はないか?』と尋ねているという事は、何か疑がわしいことをしているという事でしょう。また、FBIが出てくるということは、よほど大掛かりな事なのでしょう。
Chapter 4 Mitchの内定
内定が決まり初出勤直前、事務所に勤める2人の弁護士の事故死の知らせを受け、MitchとAbbyは葬式に参列することに…。
Chapter 5 法律事務所Bendini, Lambert & Lockeについて
不審な場面が、次から次へと出て来ますね。学資ローンなどで借金がある場合は、事務所で清算してくれるなんて、絶対に怪しい!
Chapter 6 Mitch初出勤
ここまで来ると、怪しいどころか、非常に危険な法律事務だということが分かりますね。
Chapter 7 最初の一週間
報酬が良い分とんでもなく忙しい夫に、Abbyは既に不満を抱き始めます。
Chapter 8 土曜日のディナー
招待を受け、MitchとAbbyがディナーに出掛けている間に、家と車に盗聴器が仕掛けられます。なんと恐ろしい職場なのでしょう!?
Chapter 9 Mitchの第六感
先日事故で亡くなった弁護士の遺影が、事務所に飾られました。過去に死去した弁護士を合わせると、4人となります。無意識のうちに、Mitchが何かを感じ取っているように思えてならないのは、自分だけでしょうか?
Chapter 10 司法試験合格
Mitchが司法試験に合格し、Abbyは両親を家に招きます。結婚に大反対され、式にも出席してもらえなかったMitchは、義理の両親とは今だに不仲です。
そして123ページで、Wayne TarranceというFBIの特別捜査官が、昼食中のMitchに接近!もう、既にドキドキしてしまいます。心臓に悪い…。
Chapter 11 報告
昼食から戻ったMitchは、FBIのことを同僚に話します。同僚はすぐに上司に報告。上司からは、今後一切FBIとの接触は避けること、またこのようなことがあれば、直ちに報告するよう忠告されます。
Chapter 12 兄との面会
Mitchは服役中の兄Rayに会いに行きます。Rayとともにかつて服役していた、元警察官で私立探偵のEddie Lomaxを紹介してもらいます。
Chapter 13 グランドケイマン島にて
MitchはAveryとともに、グランドケイマン島に出張します。事務所の弁護士2人が事故死したのは、この島です。忙しい一日が終わり、誘惑に負けたMitchは、バーで知り合った女性と浜辺で浮気してしまいます。翌日Mitchは仕事の合間を縫って、その事故に巻き込まれてしまった、現地の少年の父親Barry Abanksに話を聞きますが、ずっと誰かに尾行されていることに気付いていました。
Chapter 14 Mitchの過ち
出張から戻り、通常業務に復帰しますが、ビジネスパートナーに、Mitchの浮気が知れてしまいます。何者かによって、浮気の現場が盗撮されていたのです。『これでお前 (Mitch)は、我々の物だ』という、DeVasherの恐ろしい囁きが…。この後Mitchは、『FBIのことで嘘をついたら、この写真を妻に送りつけるぞ』と脅されることに…。
Chapter 15 MitchとLomax
常に盗聴、尾行されていることに加え、4人の弁護士の死に不信を抱き始めたMitchが、Lomaxに死因の調査を依頼します。
Chapter 16 Mitchの告白
Mitchは悩んだ末、浮気のこと以外の全てを、妻に告白します。家や車の中では盗聴されてしまうので、待ち合わせ場所から、更に移動したレストランで。
Chapter 17 Lomaxの死
調査を開始して間もなく、Lomaxが何者かに殺害されてしまいます!
Chapter 18 TammyとMitch
Lomaxの死後間もなく、Lomaxの秘書だったTammy Hemphillから、Mitchに連絡があります。Lomax同様、2人とも大変危険な状況にあることから、一致協力することで同意。
Chapter 19 FBIの長官とMitch
なんとMitchはFBIの長官から直々に召喚され、法律事務所がマフィアと密接な関係にあるという、衝撃の事実を聞かされます。捜査に協力すれば報酬が支払われ、FBIから護衛してもらえます。
Chapter 20 TarranceとMitch
FBI長官から差し向けられたTarranceが、Mitchに回答を要求しますが、一味にその場を目撃されてしまいます。とっさに芝居を打ちますが、Mitchは上司から呼び出しを受け、尋問されます。Mitchの証言と、部下の目撃内容に食い違いがあり、Mitchは疑惑を掛けられてしまいます。
Chapter 21 Mitchへの今後の対応について
隠れてFBIと接触していると疑われるMitchをどうすべきかが、話し合われています。①FBIの疑惑を払拭するため、法律事務所の方針を変え、終身雇用の見直しをして、内部事情に通じていない4人の弁護士を解雇。②MitchがどこまでFBIとつながっているのかを更に調査し、最悪の場合は抹殺。
Chapter 22 Tammyの作戦準備
Mitchから依頼を受け、TammyはDorisという偽名で、作戦の準備に取り掛かります。メンフィスの事務所のすぐ近くに事務所を借り、着々と準備を進めます。一方Mitchには、再度Tarranceから接触が。MitchはFBIのオファーを大筋受け入れていますが、金銭面で同意には至っていません。
Chapter 23&24 作戦開始
いよいよ作戦が開始されます。『合図があった』と、288ページと302ページに出てきますね。もうドキドキで、目を離せません!!
Chapter 25 MitchとAbbyのグランドケイマン島旅行
休暇を楽しむと装ったMitchとAbbyが、グランドケイマン島の特別施設に宿泊します。2人揃って、Barry Abanksから、スキューバダイビングの手ほどきを受けると見せ掛け、話を進めます。
Chapter 26 法律事務所側の作戦
一方、法律事務所側も、作戦を練り始めます。危機を察したマフィアの一味が、事務所の今後について、Mitchの処分についてを議論します。どうやら、FIB内部に、Alfred(偽名)という密告者がいるようです。
Chapter 27 Abbyの別居(作戦)
突然Abbyが事務所のMitchを訪ねます。母親が癌で手術が必要になったので、しばらくそばにいてやりたいという事で、即刻別居開始。一方、単身でグランドケイマン島に出張したAveryに、Tammyが接近。自由の身となったAbbyと共同で、Averyを睡眠薬で眠らせている間に、社外秘の書類をコピーし、合鍵を作るなど、大活躍です。最後の最後で二人が連絡を取っていることが、盗聴されてしまっています。互いの名前や具体的なことは話していないので、大丈夫だとは思うのですが、ハラハラしますね!
Chapter 28 AlfredとVinnie Cozzo
FBIのTorry Ross (Alfred)が、マフィア一家のVinnie Cozzoに呼び出されます。多額の現金と引き換えに、Mitchについての情報提供を要求されます。『2週間時間をください』とAlfred。
Chapter 29 Mitchの作戦
夜中の3時過ぎ、Tammyの合鍵を使って、Mitchは必要書類をコピーします。
Chapter 30 MitchとTarrance
Mitch、Tarranceと再会。
Chapter 31 Tammyの作戦準備
事務所側では、Mitch側の女性達の存在に気付いていますが、それが誰かという事までは把握できていない様子。盗聴した電話の内容からでは、それが誰なのかまでは特定できないのです。
Chapter 32 作戦その2(法律事務所側)
事務所側の作戦として、軽い心臓発作と偽ってAveryを入院させます。TarranceからMitchに接触。
Chapter 33 Rayの脱獄
RayはFIBからの護衛付きで脱獄を果たします。FBIに協力する条件として、Mitchから、初回の報酬100万ドルと、兄の出所が要求されていたのです。
Chapter 34 Tarryの密告
約束の期限となり、Tarryは待ち合わせ先で、Vinnie CozzoにMitchのことを密告してしまいます。このことは直ぐに長官の耳に入り、大掛かりあMitchの護衛が始まります。
Chapter 35 AbbyとRay
服を着替え髪型も変え、変装したRayが逃亡を開始。途中、危機一髪でAbbyを救います。Abbyは車中、Rayに事件の経緯を説明。予想外の危険な状況に、『刑務所に戻りたくなってきたよ』とRay。
Chapter 36 再会
Mitchが2人と再会します。3人は揃って、とあるモーテルに場所を移し、着々と計画を実行。
Chapter 37 FBIの捜査と一味の追跡
Mitchを追うMoroltoの一味、Mitchを守るため一味を追うFBIの捜査が続きます。
Chapter 38 Moroltoの策略
FBIの捜査をかく乱させるため、一味はFBIに偽りの通報をします。これによりFBIはMitch達から遠ざかり、Mitch達は孤立させられてしまいます。非常に危険な状況です。
Chapter 39 Andy
救世主現る!! Mitch達の宿泊している施設で、マネージャーをしている前科者のAndyが、現金収入のためにMitch側に付きます。使い走りをしてくれたり、外部状況を報告してくれたり…。Mitch達の作戦もいよいよ最終段階に入り、メディア向けのヴィデオ撮影に入ります。あと一息というところで、油断したRayがビールを買いに出かけ、一味に見つかってしまいます!恐ろし過ぎる!
Chapter 40 脱出
準備が全て整い、いよいよ脱出というところで、ハプニングが。手配してあった救助船が、時間になっても着きません。浜辺で助けを待つ間、Abbyが一味に襲われてしまいます。最終的には一味を倒し、遅れて来たAbanksの船で、3人は脱出を果たします。
Chapter 41 ケイマン島へ
島の住人Georgeに連れられて、無数とも言われているケイマン諸島のなかの小さな島で、3人の新生活が始まります。船便で届いた本土からの新聞には、Bendini, Lambert & Locke法律事務所の不正と、マフィアとの関連を暴露する記事が掲載されていました。3人は依然としてマフィアの標的であることに変わりありませんが、島で生活する3人が見つけられる確率はかなり低いと思われます…。
あとがき
事件は全てスッキリ完結すべきだ!などという決まりはないにしても、悪業は明るみに出たものの、これだけハラハラさせておいて、McDeere一家の行く末が依然として闇に包まれたままだというのが、なんとも煮え切らない!読み終えた後も、心配で心配で…。
ご参考までに、この本を読まれた方からの投稿動画です。
The Firm by John Grisham
主筆活動について、ご本人が語って下さっています。
John Grisham on his regimented writing routine | Author Shorts
何でもあるものですね…オンラインで無料で読めるサイトも見つけてしまいました!
読書は目が疲れるという方は、読む代わりに聴くのも良いですね。
Audiobook - Learn English Through Story • Subtitles THE FIRM intermediate level
かなりゆっくりなので、1.5倍くらいのスピードで聴くのがお勧めです。(自分がせっかちなだけかも知れませんが…。)
お願い
出版翌年に映画化されているので、気になってキャストを調べていたのですが、一番知りたかったAndy役が、どこにも見当たりません。Andyがいなかったら、Mitch達の計画は成功していなかったのでは、というくらい重要人物なのに!ご存知の方いらっしゃったら、是非是非教えて下さいね!
次回予告
来月末は、”Horribly Famous”シリーズの”Newton and his falling apple”です。
(昨日はコピぺを間違えておりまして、申し訳ございませんでした。)
ではまた。
今回のお薦めの英語本5選B-24
Sunday, 31st July 2022
今回のお薦め英語本5選
今回も新旧ごちゃまぜで、難易度もバラバラです。シリーズ物の第一作を選ぶと、どうしても古い物になってしまいますが…。英語の本に初めて挑戦したい方は、こちらをご参照下さいませ。↓
初めての方にお薦めの英語本5選B-01
繰り返しになりますが、読書する際のポイントをまとめますね。
- 辞書はできる限り使わず、想像力で読み進める。
- 細かいことは気にせず、どんどん読み進める。
- 後で戻って読み直さなくてもすむように、登場人物の特徴や人間関係、内容を大雑把にメモしておく。(付箋をその個所に直接貼るのがお薦め。)
動画と同様、分からなかったところは気にせず、分かったことを喜びとしましょう。ざっくり内容がつかめればOKです。(読み終えたチャプターやパラグラフを、数行で要約する程度です。)英語を理解しようとするのではなく、英語をツールとして、本を楽しむ感じで行きましょう!余裕があれば、『あぁ、こんな言い方をするんだなぁ』と、心の引き出しにしまっておく程度で、将来十分役立ちますよ。
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The Firm by John Grisham
自分が初めて出会ったこの著者の最初の作品は、”The Client”でした。本ではなく、映画を観たのですが、まさに『手に汗握る』という感触でした。この著書は専門用語もそれほど多くはなく、比較的読み易いのでは、と思います。逆に、個人的に一番難解だったのは”Runaway Jury”です。映画を観た後で本を買って、夫と共に読み直しました…。全501ページと、ボリュームがありますので、何冊か読んだことのある方や、映画などで既に内容をご存知の方にお薦めです。
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Horribly Famous (Dead Famous) books (Newton and his falling apple)
Newtonが、リンゴが木から落ちるのを見て疑問を持ち、Gravityの法則を発見したことは、誰もが知るところですね。発見・発明好きにお薦めの一冊です。ストーリーを追うものではないので、興味のない箇所は飛ばしても良いですし、細切れに読めるので、まとまった時間が取れない方、忙しい方にもお薦めです。
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Postmortem by Patricia Cornwell
この著者の本で初めて読んだのが、この『検視官』。まだ日本にいる頃だったので、和訳物だったと思います。実は、それまで読書などしたことがなかったのですが、ミステリー小説好きの母に薦められて嫌々読み始め、気付いたらすっかりハマっていました。読書生活への第一歩を踏み出させてくれた著者に、ひたすら感謝です。
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Think about it! Philosophy for Kids by Alex Woolf
哲学を勉強しなくてはならなくなり、まず手始めに!と思って借りてみたら、大変分かりやすかったです!新しい分野の物を読み始める時は、子供向けの本から入ると、すんなり先に進めますね。
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Norwegian Wood by Haruki Murakami
随分昔に出版されたものですが、日本語で書かれたものが英訳されると、こうなるんだ!という新しい発見ができると思います。社会人一年生の時、職場の先輩たちがこぞって読んでいたのを、懐かしく思い出しました…。
次回予告
今回は、新たな分野を加えてみましたが、まだまだマンネリから抜け出せていません。ご意見、ご希望がありましたら、ラインでお知らせ下さいませ。(id:makylee ウインク猫) ホラーだけは、勘弁してください…。
来月末から、順に毎月一冊づつ解説致しますね。
ではまた来月。
お詫び
申し訳ございません!シンガポール時間に合わせており、50分遅刻してしました!
お勧めの英語本5選B-24
Thursday, 30th June 2022
お勧めの英語本解説05/05
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Tomorrow Will Be a Good Day by Tom Moore
いつもの通り、人物関係(特に家族間の)を把握しながら読み進めましょう。各章に勝手にタイトルを付けていますが、あくまで個人的なメモですので、悪しからずご了承くださいませ。では早速、メモを取っていきましょう。
メモ
Chapter 1 Captain Tomと家族
お父様のWilfred Mooreには、お兄さん1人とお姉さん2人、お母さまのIsabellaには、兄と弟が3人います。お父様は若い頃、病気で聴力をほとんど失ってしまいますが、結婚して2人の子供に恵まれます。Captain Tomは第2子。姉のFredaは生涯独身でした。父方のお爺さまはThomas Moore、お婆さまはHannah Moore、母方のお爺さまはJohn Hird、お婆さまはFanny Hirdです。
Chapter 2 Captain Tomの幼少時代
Captain Tomは、幼い頃から自然を愛し、家事手伝いも積極的にこなす、活発な少年だったようですね。お婆さまのOatmeal biscuitsのレシピをシェアして下さっています。
Chapter 3 Captain Tomの少年時代
友好関係や、家族間の関わりについて。Captain TomはGranny Fannyと大変親しかった半面、Granny Hannahとはあまり交流がなかったようですね。父方の伯父さまのUncle Billy、母方の伯父さまのUncle Arthurとも、親しく行き来がありました。
Chapter 4 Captain Tomの少年時代(Uncle Billyの死)
Billyという犬を飼い始めています。料理の腕前も随分上がりました。幼い頃から、車やバイクの事を教わったり、ガレージで解体や修理を一緒にしていたUncle Billyが、排気ガス中毒で亡くなってしまいます。借金を苦にした自殺のようですが、警察の計らいで事故扱いとなりました。
Chapter 5 Captain Tomの青年時代
Uncle Billyの死後の交友関係などなど。78ページに”Tomorrow will be a good day”の一文がありますね。
Chapter 6 軍人時代
第二次世界大戦に突入。徴兵されますが、ここでもCaptain Tomは全てを前向きに捕え、努力に努力を重ねます。
Chapter 7 大戦中
日本軍による真珠湾攻撃の写真で始まるこの章は、大戦初期について。努力も評価され始め、船で向かった先のインドでは、Uncle Billyから学んだ機械関連の知識を生かして、メキメキ頭角を現し、昇進します。
Chapter 8 大戦中
この章の始めには、インパール作戦で、ビルマ(ミャンマー)に整列する日本兵達の写真が。一軍はビルマに南下します。作戦変更のため、連絡係兼配達係のような役目を仰せつかうも、バイク運転の技術を生かし、大活躍。
Chapter 9 大戦中
軍人精神、知識や技能が認められ、またもや昇進。友人であり戦友でもあるPhilip Thorntonの戦死の知らせに、心を痛めます。
Chapter 10 & 11 終戦
日本軍との戦いについて記載されています。憎しみや嫌悪といった感情は、人格者のCaptain Tomの記述からは読み取れません。
Chapter 12 帰郷
終戦後に帰郷したCaptain Tomは、愛犬Billyの死について聞かされます。
Chapter 13 平和な日常に向かって
1945年8月9日の長崎への原爆投下の写真で始まり、『どこまでも屈しない日本を、この先続くであろう、さらなる犠牲から救うべく、原爆が落とされた』と続きますが、我々はそんな理由は、何度聞いても納得できませんね。
Chapter 14 戦後の生活、結婚
Captain Tom は友人の彼女の友人であるBillieと結婚しますが、すでに難航しそうな模様。Billieには、精神面で重大な問題があるようなのです。
Chapter 15 家族経営の会社が倒産
祖父の代に築き上げた建設会社が倒産してしまいますが、持ち前の不屈の精神が、随所にちりばめられていますね。P231の”I am not a man for regrets.”という一文が、心に響きます。
Chapter 16 別れと出会い
妻の精神状態が、手の施しようもないほどの状態となり、やむなく離婚します。離婚後間もなく、母のIsabellaが亡くなります。以前勤めていた会社に再就職したCaptain Tomは、。以前から惹かれていた元同僚のPamelaに再会。驚いたことに、彼女はまだ独身。2人は急接近し、Captain Tomの離婚の成立を待って、直ぐに結婚します。
Chapter 17 新しい家族(1)
前妻の場合と異なり、父親が認知症であること、交際中に気付いていた、不可解な素行の原因が母親にあることなど、全てを受け入れてのPamelaとの結婚でした。長女Lucyが生まれて間もなく、父のWilfredが亡くなってしまいます。
Chapter 18 新しい家族(2)
次女のHannahの誕生→大学入学、Lucyの結婚、姉のFredaの死、友人のBrianの死、と続きます。
Chapter 19 スペインでの生活
仕事の関係で、一家はスペインに移住します。楽しい生活ではありましたが、Captain Tomが大怪我をしたり、Pamelaの症状に悪化が見られ、一家は帰国します。帰国後、重篤化した認知症のため、Pamelaは施設に入居し、数年後そこで死を迎えます。
Chapter 20 子供達の家族
長女LucyはTomと結婚し、2人の男の子ThomasとMaxに恵まれます。次女HannahはColinと結婚、一男一女BenjieとGeorgiaをもうけます。
Chapter 21 NHSについて
家族の病歴と、NHSへの感謝の思いがつづられています。これが、後のチャリティーに繋がるのですね。そもそも、この本はそのために書かれていたようですが。
Chapter 22 歩け歩け募金
日本で話題になっていたかどうかは分かりませんが、Captain Tomが行った募金活動についてです。本の冗談から始まった募金活動ですが、孫や娘夫婦の協力で、世界中を巻き込み、インタビューやテレビ出演で大忙しの日々です。
Captain Sir Tom Moore: How he inspired the nation
Chapter 23 100歳の誕生パーティ
コロナ禍でなければ、親しい親類や友人と共に過ごすために計画していた誕生日パーティーですが、取り止めせざるを得なくなってしまいました。それでも、メディア対応には息をつく暇もありません。功績を称えられ、女王からナイト爵位を授与します。
Captain Tom Moore adds a book to his fund-raising efforts
あとがき
予想通り、第二次世界大戦で、敵国日本と戦う場面の描写がありました。心が痛みますね。インパール作戦についての言及もあり、大変考えさせられる1冊となりました。歴史の授業で、大戦について詳しく学ぶようなことはなかったと記憶しておりますが、日本側から見たものとは大変異なります。本書の内容には直接関係がありませんが、歴史に限らず何事も、多角的に見て考えることが大切ですね。
UKヒットチャートで堂々の一位となった曲です。最年長者として、ギネスに認定されたそうですね。
You'll Never Walk Alone - Captain Tom Moore, Michael Ball & The NHS Voices of Care Choir
次回予告
来月末は、次におすすめする5冊のご紹介となります。
ではまた。
お勧めの英語本5選B-23
Tuesday,31st May 2022
お勧めの英語本解説04/05
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Call for the Dead by John Le Carré
ミステリー小説というと(正確にはスパイ小説ですが)、どうしても女流作家ばかりに目が行ってしまって、聞いたことのない男性作家の本を、敢えて手に取ることはありませんでした。読んでみて、本当に良かった!この先も読みたい!と思える一冊です。
繰り返しになりますが、知らない単語や分かり辛い表現は、一旦切り捨ててしまっても、ストーリー展開が分かれば大丈夫です。何冊も読んでいるうちに、だんだん知らない単語が少なくなってきますよ。
では早速、メモを取っていきましょう。最初は丁寧に読み進め、人物関係をしっかり把握しましょう。社会的な背景も、分かり辛ければ切り捨ててしまっても、大丈夫です。各章のタイトルおよびメモの内容は、翻訳ではありませんので、ご了承くださいませ。
メモ
Chapter 1 George Smileyについて
英国秘密情報部員Smileyの美貌の妻Ann Sercombは、結婚して2年足らずで、別の男性と駆け落ちしてしまいます。Viscount Sawley, Jebedee, Steed-Aspreyなどの人物も登場しますが、ストーリー展開にはほとんど影響ありませんので、軽く流しても大丈夫。
Chapter 2 未解決
外交官のSamuel Arthur Fennanは、登場とほぼ同時に死んでしまっています。内部告発の疑惑を晴らすために、Smileyが尋問した直後のことです。Mastonによれば自殺だそうですが、Smileyは疑問視。P11に登場するSparrow氏はたまに出て来る程度ですが、情報部員Peter Guillam氏は後ほど大活躍します。MastonはSmileyに、直ちにFennan宅を訪れ、Fennanの妻を尋問するよう指示を出します。
Chapter 3 Elsa Fennanについて
Fennanの妻Elsa Fennanは、ドイツ出身の目つきの険しい瘦せた女性で、夫よりも年上だと見受けられます。(Jamie Lee Curtisのような感じかな…?)大変なショックのためか、涙さえ見せず、消耗しきっている様子。簡単な聞き込み調査は終了しますが、夫が殺された夜、一人で劇場に行っていたというElsaから聞かされたFennanの様子は、Smileyと知るFennanの様子とは、かけ離れたものでした。そして、帰途に着こうとしたSmileyが、上司からの連絡だと思い込んで出た電話は、Fennan自身が依頼したと思われるモーニングコールでした…。怪し過ぎますね!
Chapter 4 噴水カフェでコーヒーを
イタチのような顔をしたMendel警部補登場。Smileyはすぐに、彼に好感を抱いたようですね。しばらくしてから、一緒に非公式な捜査を進めることになります。Smileyは、噴水カフェでMendelとコーヒーを飲みながら、話をすすめます。再びElsaを訪ねたSmileyが、モーニングコールのことを尋ねると、Elsaは自分が依頼したものだと嘘をつきます。何としてでも夫が自殺したことにしたい様子、非常に怪しいですね!
Chapter 5 Mastonとのやりとりなど
Elsaへの2度目の聞き込みを終え、Mendelをロンドン警視庁に車で送り、オフィスに戻ったSmiley。Mastonに異論を申し立てるも、Smileyの不手際のためにFennanが自殺したとして、聞く耳を持ちません。とりつく島もないやり取りの結果、Smileyは完全に意欲を喪失。デスク整理をしていると、トレーにFennanからの手紙が。『伝えたいことがある。明日の昼休みに会いたい』という内容のもので、手紙の日付は一日前です。Maston宛てに辞表を書き、Fennanからのその手紙をホチキスで辞表に止め、Smileyはオフィスを後にします。
疲れ切ったSmileyは、クリーニング店から洗濯済みの衣類を受け取り、自宅に向かいます。ところが、自宅に着いてドアを開けようとすると、家の中で人の気配が。とっさに、手にしていた家の鍵をポケットに隠し、ドアベルを鳴らします。驚いたことに、会ったこともない若者がドアの隙間から顔を出すではありませんか。『Smileyさんは在宅ですか?』と尋ねると、『はい、おります。どうぞお入り下さい』とドアを全開にします。一瞬ためらった後、『それには及びません。すみませんが、これを渡して頂けますか』と、手にしていたクリーニングの袋をその若者に渡して、自宅を後にしました。怖いですね!
車を出しながら、近くに停まっていた何台かの車のナンバーを控え、この先どうすべきかを考えるSmiley。Mendelに連絡を取ろうと、最寄りの電話ボックスでロンドン警視庁に電話したSmileyは、Mendelが既に辞めてしまったと聞かされます。一体この先どうなってしまうのでしょうか?
Chapter 6 紅茶と思いやり
苦労して聞き出した住所を頼りに、SmileyがMitchamのMendel家を訪れると、Mendelは庭の手入れをしています。部屋が温まっていないので、紅茶を用意すると言いながら、MendelはSmileyを温かく迎え入れます。紅茶を飲みながら事の次第を話すSmileyに、危険を察知したMendelは、しばらく泊まるようSmileyに勧めてくれます。
話を進めるうち、Smiley宅の近くに停めてあった車の所有者であるAdam Scarrを訪ねることに。2人でBattersea Bridge RoadのScarrの車庫に向かい、MendelがScarrを尋問する間、Smileyは近辺を捜索。暗い通りを渡って、少し先に停めてあった車のナンバープレートを確認すると、あろうことか、それは、Smileyの家の近くに停めてあったものでした。と、背後で足音が聞こえ、振り返ろうとしたSmileyに、何者かが鈍器で殴りつけました。
Chapter 7 Scarrについて
血を流して倒れているSmileyを、救急車で病院に送ると、MendelはScarrのところに戻り、さらに厳しい尋問を開始します。犯人と思われる人物像、その人物とどのようなやり取りがあったのか、その連絡方法や、支払い方法など、詳細を聞き出しました。
Chapter 8 病院のベッドで
Mendelが面会を許されたのは、Smileyが意識を取り戻して3週間後のことでした。捜査内容を手短に伝えてくれたMendelに、SmileyはGuillamを連れて来るよう依頼します。打撲傷でズキズキと痛む頭で、Smileyはノートを作成し、時系列に起こったことや、数々の疑問を書きつけていきます。誰にとって、そして何故、FennanがSmileyと接触することが、それ程にまで危険だったのか?何故Fennanの妻は、嘘をついたのか?
Chapter 9 情報整理
MendelがGuillamとともに、Smileyを見舞います。Fennanの遺書とSmileyへの手紙が、同じタイプライターで打たれていたことが判明したと、Guillamからの最新情報がありますが、それでもまだ、この事件には、意味をなさないことが多すぎます。2人が帰り、ウトウトと眠りに就きそうになったSmileyの耳に、廊下での喧騒が耳に入ります。急にドアを開けて入ってきたMendelがSmileyに告げた知らせは、Scarrの死でした。
Chapter 10 別人からの情報
供述の信ぴょう性が全くないこの事件で、本当に何が起こったのかを突き止めるため、MendelはElsaの行っていた劇場を訪れます。そこで聞かされたのは、会員制のその劇場には、Elsaは毎週火曜日の夜、一人で出掛け、夫だと思われる外国人の男性と落ち合い、離れた席に座っていたこと、Elsaもその男性も、上演中に預けておいたオルゴールを、上演後に持ち帰っていた、などなどです。Fennanが殺害された夜は、Elsaがオルゴールを忘れて帰宅したため、翌日その男性が取りに来たとも。
Chapter 11 Smileyの過去
MendelがSmileyを見舞うと、そこにはGuillamがいます。Mendelが2人に聞き込みした内容を伝えると、Smileyは翌日の朝退院する予定だと告げます。退院したSmileyから2人に伝えられた内容は、主にSmiley自身の経歴ですが、ここで登場するDieter Freyは最重要人物です。
またまた文字数が超過してしまいましたので、この先はさらに短く、ザックリ粗く進めますね。
Chapter 12 Elsaの供述
三度訪れたSmileyにElsaが供述したのは、5年前にFreyと接触があったこと、Fennanがスパイであったこと、自分が中継役であったことなどでした。Freyは当時、Freitagという偽名を使っていたようです。
Chapter 13 Fennanに対する疑問
スパイであるはずのFennanについて、調べれば調べるほど、およそスパイらしからぬ事実ばかりが浮かび上がります。この章ではMarlowやMundtが再登場します。気になる方はChapter 5から13くらいまでを、もう一度パラパラと見てみて下さい。気にならなければ勿論、確認不要です。
Chapter 14 ドレスデンのグループ
Freyを中心とするドレスデンを拠点とするグループについてです。今まさに国外逃亡しようとしているMundtは、Smileyを殺そうとした人物のようですね。
久し振りに自宅に戻ったSmileyが、溜まった郵便物を整理していると、Mastonからの謝罪の手紙と、別れた妻からの誘いの手紙が届いていました。
Chapter 15 最終シーン
ElsaとFreyをおびき出しておいた劇場で、MendelとGuillamが張り込みをしています。このように人目の多い場所で、一体何が起こり得るのかと思いきや、FreyがElsaを殺害して逃亡。Freyの追跡をMendelに任せ、GuillamはSmileyに連絡を取るため、公衆電話へ。
Chapter 16 霧の中で
Guillamに合流したSmileyは、Scarrの遺体が見つかった、テムズ川の橋げたに向かいます。SmileyとFreyが再会して…。ここで実際に何があったのか、詳しく知りたい方は、是非本書をお読みください。
Chapter 17 Mastonへの手紙
SmileyからMastonに宛てた手紙で始まるこの章では、事件の解析が記されています。生き証人のいない現在、これを立証することは不可能ですが。
Chapter 18 チューリッヒへ
MendelとGuillamと食事を共にしながら、事件について話し合ったSmileyは、飛行機で元妻の待つチューリッヒに向かいます。2人はこの先、どうなるのでしょうか?
あとがき
この小説の初版が出版されたのは1961年です。誰もが携帯電話を使い、いつでもどこでも連絡が取れるのが当たり前の今、この小説を読むと、当時の連絡方法が、いかに不便だったかが思い出されます。バーの公衆電話で、バーテンダーさん経由で連絡を取るなんて、考えられませんよね!
パソコン画面上で読むよりも本の方が目にも優しいですし、個人的に読み物は印刷されたものを読むのが好きですが、今すぐに読みたい!という方はこちらをどうぞ。↓
Free Download
https://archive.org/details/call-for-the-dead
今回の投稿のために調べていて、Jamie Lee Curtisさんが本を書かれていることを、初めて知りました。子供向けの絵本が、とても楽しそうです!
Thriftbooks
https://www.thriftbooks.com/a/jamie-lee-curtis/196977/
次回予告
来月末のお勧め図書は、”Tomorrow Will Be a Good Day” (Tom Moore)になります。
ではまた。