隙間時間の英語雑学T-02

Thursday, 10th September 2020   

今週の英語雑学 – “Mind one’s own P’s and Q’s” and others (お勧め図書“The Magic Finger”より)

先月のお勧め図書“The Magic Finger”からの雑学です。

解説

よく質問を受ける言い回しがありますので、解説致します。

  1. “mind one’s own P’s and Q’s”

原文はP10の”Mr Gregg told me to go home and mind my own P’s and Q’s"ですね。”Mind your own business”とほぼ同義ですが、それほど上から目線ではない、やや控えめな言い方です。ちょっと古風な感じのする言い回しですが、この本が書かれたのは1960年代ですから、当時はそうでもなかったのでしょう。

  1. That did it.

同じくP10に出てきます。何かよからぬことが起こってしまった時、やらかしてしまった時に使われます。直訳すれば『あれがそれをした』、『それでこうなった』つまり前述のこと、があることを引き起こしたということなので、『あぁ、やってしまった』のような感じでしょうか。”That’s done it!”の方も、よく見かけます。現在完了形なので、『今まさに』というニュアンスが入っていますが、表現している内容は同じです。

  1. “get cross” & “see red”

P9 に“get cross”、P10に”see red”がありますね。どちらも怒っていることを表していますが、順序に注目すると、”get cross”が先にあって、その後に”see red”が来ていますね。近い日本語の表現を当てはめるとすれば、『堪忍袋の緒が切れて、竹屋の火事状態になる』、というような感じです。今風のスラングで言えば、『プッツン切れて、激おこ状態』でしょうか?(プッツンなんて、もう古い?)

 

P11にも同じ順序で“get cross”と”see red”が並んでいますね。

Then I got cross, and I saw red, and…

 

最後のページP63では、”start to~”(~し始める)を使っているので、あえて”get cross”を使う必要がないのでしょう。

Suddenly I started to see red…

 

↓しっくりくる動画を見つけました。

UFOキャッチャー

 

www.youtube.com

『私の趣味はUFOキャッチャー。…ある人のせいで、ムカムカがピークに達し、思わず言いたい放題ぶちまけてしまいました』で始まりますね。この『ムカムカがピークに達し』というのが”get cross”で、もうそうなれば”see red”の状態となるため、怒りに任せて色々とやらかしてしまうということなのです。(そもそも”get”が『ある状態に達する』という意味なので…。)

 

しばらく”warning”が出ていますが、2分10秒あたりでムカつきバロメーター(良く見えないんですが、正しい名称でしょうか?)が100に達して、白目になっちゃいますね。これこそが”get cross”(怒るという状態になる)の瞬間です。(素晴らしい演技!)そして、その後は言いたい放題、となるわけですね。

 

『腹を立てる』『腹が立つ』のその他の類似表現

いつも”angry”ばかりでは、つまらない…と思われたら、ご参照下さい。面倒な方は飛ばして。

 

Dad was furious with me yesterday because I forgot to do what he had asked me to do.

お父さんに頼まれたことを、やり忘れてしまったようですね…。

 

Mum is mad with the cats. She was particularly wild when one of them jumped on her.

状態を表す“be"が使われているので、普段からよほどイタズラなのでしょうか。飛びつかれた時は、まじギレしてしまったようです…。

 

I'm sorry - is my cough annoying you?

止まらない咳を、隣席の人などに詫びる時などに。

 

After a while the child’s behaviour really began to irritate her mother.

何度注意しても聞かない子が、お母さんをイライラさせて始めてしまった時に。

 

She's in a real huff because I forgot her birthday.

日本では、こういう場面で怒る人はあまり見かけませんが…。“be in a huff”で『カリカリしている状態』を表せますが、勿論『カリカリ状態に達する』と言いたい場合”get into a huff”も使えます。↓

 

My brother has gone into one of his huffs again.

またいつもの怒り期(こんな言葉はないと思いますが)に突入してしまった…と言う時に。

 

補足

『~(の状態に)なる』という”get”と”be”の使い分けです。

* 一部の方には、レッスン中の説明の繰り返しになってしまいますが、悪しからずご了承くださいませ。

 

  1. After a while you will get used to all the noise.

例えば、バイトで工場などで働き始める時などに、先輩から『(ここは結構うるさいけど)、しばらくすれば慣れるさ。』と言われている場面。

 

  1. Finally, I’ve got used to all the noise.

しばらくして、先輩に『やっと騒音に慣れましたよ。』と言う時に使えますね。

 

  1. Now I am used to the noise.

同じ”used to~”を使った表現でも、“get”ではなく、“be”を使うと、『~の状態にある、いる』なので、『もう騒音には(すっかり)慣れていますよ。』となりますね。

あとがき

今回はおすすめ図書に何度も出てきていたので、『怒る』を表す表現を取り上げました。まだまだ他にも沢山ありますが、これ以上続けると、精神面への影響が良くないですね…。次回からはもっと楽しい表現を取り上げます。リクエストお待ちしております!

ではまた来週。