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Sunday, 28th February 2021
お勧めの英語本解説01/05
- Did castles have bathrooms? : and other questions about the Middle Ages / Ann Kerns ; illustrations by Colin W. Thompson.
『お城にはトイレはあったのか?』『答えはYes。でも現代のトイレとは全く異なっていて…』という、質疑応答形式で書かれた読み物です。
目次
introductionに続き、
- 中世と暗黒時代は、同じもの?
- 中世の騎士達は、本当に馬上で一騎打ちをしていたの?
- 中世イングランドの人々は、私たちと同じ様に話していたの?
- アーサー王は、本当に中世イングランドを支配していたの?
- 中世では、ほとんどの人が大変若くして亡くなっていたの?
- 中世には、読み書きる人がほとんどいななかったって、本当?
- 中世では本当に、恐ろしい疫病で、何百万人もの人が亡くなったの?
- ロビンフッドは、本当に裕福な人から盗んだものを、貧しい人々に与えていたの?
- 中世では、12歳になる子供達が結婚していたって、本当?
- お城にはトイレはあったの?
- 握手をする習慣は、騎士達が始めたの?
- 騎士の着る鎧はあまりにも重く、馬に乗るのに人の手を借りて持ちあげてもらっていたの?
- 敵の侵入を防ぐため、中世のお城には、お堀や跳ね橋があったの?
- 中世には、自宅から数マイル以上、出掛けることがほとんどなかったって、本当?
- 中世の農民達は奴隷だったの?
- 中世の理髪師さん達は、歯医者さんも兼ねていた?
- 中世では、剣で肩を軽く叩くことで、騎士の称号を授けていたの?
となっています。
概要
- 中世と暗黒時代は、同じもの?
重複する部分はありますが、違います。いづれにしても、そのような名称は後世になって、歴史家達が考えたものなので、もともと明確な違いがあったわけではないんですね。
- 中世の騎士達は、本当に馬上で一騎打ちをしていたの?
その当時の騎士達は、本当に馬に乗って戦っていました。競技会は、訓練として始まったものですが、それによって死傷者を出すことが多かったため、安全性が重視されるようになりました。
- 中世イングランドの人々は、私たちと同じ様に話していたの?
もしもタイムマシンなどでこの時代に戻れたとして、道行く人々と話をしてみたら、ほとんど通じないと考えられます。日本でもそうですよね?縄文時代の人に向かって、『めっちゃヤバい』なんて言っても、全くわかってもらえないでしょうし、単語はおろか、発音すら異なっていたそうですから。
アーサー王が実在の人物かどうかすら、歴史家達のあいだで、意見が分かれているそうです。もしも存在していたとしたら、英国を守るために尽力した人物のようです。
- 中世では、ほとんどの人が大変若くして亡くなっていたの?
疫病、怪我や飢饉などのために、平均して30歳くらいまでしか生きられなかったそうです。日本でも戦前までくらいは、『人生50年』と言われていましたよね?平均寿命30歳と言えば、日本では平安時代頃だったでしょうか?
- 中世には、読み書きる人がほとんどいななかったって、本当?
本当です。読み書きができたのは、ごくわずかでしたが、そもそも出版物すらありませんでしたから、当然と言えば当然ですよね。
- 中世では本当に、恐ろしい疫病で、何百万人もの人が亡くなったの?
1348年から1352年まで続いた疫病で、25,000,000人もの人が命を落としています。
- ロビンフッドは、本当に裕福な人から盗んだものを、貧しい人々に与えていたの?
確定はできませんが、そのようなことはなかったようです。
- 中世では、12歳になる子供達が結婚していたって、本当?
少なくとも中世前期ではそうでした。日本でも、江戸時代などには、そのくらいの年齢で結婚していたようですし、寿命が短かったのですから、当たり前のことかも知れませんね。
- お城にはトイレはあったの?
ありました、勿論現代のシャワー付きのバスルームには程遠いですが。また、お風呂も、桶にお湯を張るだけという、簡易的なものでした。
- 握手をする習慣は、騎士達が始めたの?
武器を手に持っていないことを見せるため、相手の近くまで手を伸ばして証明する、と言う行為があったため、そのように言い伝えられてしまったようですね。
- 騎士の着る鎧はあまりにも重く、馬に乗るのに人の手を借りて持ちあげてもらっていたの?
そのような事実はないです。(そんなに重かったら、馬だって走れないでしょうし…。)
- 敵の侵入を防ぐため、中世のお城には、お堀や跳ね橋があったの?
ありました。中世に警察はなかったため、自分達の安全は自分達で守らなくてはならなかったためです。お堀は、日本のお城にもありましたよね?
- 中世には、自宅から数マイル以上、出掛けることがほとんどなかったって、本当?
本当です。当時は騎士以外のほとんどの人々が農民だったため、世話をする家畜もいましたし、遠くに行っているような時間や、金銭的な余裕がなかったためだそうです。(でも、考えてみれば、バスやタクシーがあった訳でもないので、当然と言えば当然ですよね。しかも、旅行などというものも、きっと存在しなかったでしょうし。)
- 中世の農民達は奴隷だったの?
農民は肉体労働者でしたが、奴隷ではありませんでした。作物や家畜などを地主に納めていましたが、労働を強制されていたわけではないんですね。
- 中世の理髪師さん達は、歯医者さんも兼ねていた?
驚くべきことに、本当です。しかも、医者も兼ねていて、ちょっとした手術などを施していたようですね。
- 中世では、剣で肩を軽く叩くことで、騎士の称号を授けていたの?
本当にそうしていました。そして、その儀式は”Dubbing”と呼ばれていました。
用語解説
新しい単語に出会っても、焦らず読み進めるうちに、文脈から推測できるかと思いますが、普段使わないような用語も多いので、巻末に掲載されている分については、和訳を付けておきますね。
- accolade 爵位授与
- armor 甲冑
- chain mail 鎖帷子
- chivalry 騎士道
- dubbing 騎士としての称号を与える儀式
- feudalism 封建制度
- garderobe トイレ
- joust 馬上の一騎打ちの試合
- keep 城壁内部の生活空間
- knight 騎士
- lance 長槍
- melee 馬上のグループ試合
- moat 堀
- noble 貴族
- peasant 農民
- pilgrimage 聖地巡礼
- plate armor 板金甲冑
- squire 騎士の従者
- tournament 騎士の競技会
こちらがchain mailです。
こちらはplate armorです。
あとがき
今回は、質疑応答形式の歴史本ということで、内容の要約はできませんでした。また、全て網羅してしまうのも、著作権に触れてしまう可能性もあるため、例によって独断と偏見で、部分的に小出しする形式を取りましたが、悪しからずご了承下さいませ。
次回予告
来月末は、次のお勧め図書“The Bad Dog's Diary”の解説になります。こちらも日記形式なので、要約できませんが、楽しそうなところや、使えそうな部分などにスポットを当てて、ご紹介しますね。
ではまた来月末に。