隙間時間の英語雑学T-36

Thursday, 13th May 2021   

今週の英語雑学

中学校の英文法の復習 part 1

動画 If You Give a Moose a Muffin

先々週の動画”If You Give a Moose a Muffin”を観ながら、中学校で習った文法を復習しましょう。

 

If You Give a Moose a Muffin

www.youtube.com

 

もしもヘラジカにマフィンをあげたら(どうなるか)?というタイトルですね。動画や絵本の良いところは、例えばもしも”moose”という単語を知らなかったとしても、わざわざ辞書で調べる必要がないこと、文字を暗記して覚えるのではなく、単語や言い回しなどが画像とともに、自然にまとめて覚えられるので、覚えやすく忘れにくいという点ですね。

 

“If you give a moose a muffin, he’ll want some jam to go with it. So you’ll bring out some of your mother’s homemade blackberry jam. When he’s finished eating the muffin, he’ll want another, and another and another. When they’re all gone, he’ll ask you to make more. You’ll have to go to the store to get some muffin mix. He’ll want to go with you. When he opens the door and feels how chilly it is, he’ll ask to borrow a sweater. When he puts the sweater on, he’ll notice one of the buttons is loose. He’ll ask for a needle and thread. He’ll start sewing. The button will remind him of the puppets his grandmother used to make. So he’ll ask for some old socks. He’ll make sock puppets. When they’re done, he’ll want to put on a puppet show. He’ll need some cardboard and paints. Then he’ll ask you to help make the scenery. When the scenery is finished, he’ll get behind the couch. But his antlers will stick out. So he’ll ask for something to cover them up. You’ll bring him a sheet from your bed. So he’ll use the sheet to clean up the mess. Then he’ll ask for some soap to wash it out. He’ll probably want to hang the sheets up to dry. He’ll go outside to put it on the clothesline. When he’s out in the yard, he’ll see your mother’s blackberry bushes. Seeing the blackberries will remind him of her jam. He’ll probably ask you for some. And chances are… If you give him the jam, he’ll want a muffin to go with it.”

 

全て詳細に網羅してみたところ、10,000語を軽く超える長文になってしまいました。一度に読むのは大変かと思いますので、誠に勝手ながら、4回に分けさせて頂きました。

 

解説    

まず最初の2つの文章を見てみましょう。

"If you give a moose a muffin, he’ll want some jam to go with it. So you’ll bring out some of your mother’s homemade blackberry jam."

 

『もしも(あなたが)ヘラジカにマフィンをひとつあげたら、彼は多分それにあうジャムを欲しがるでしょう。なので、(あなたは)お母さんが作った、お手製のブラックベリージャムを、少し持ってきてあげる(ことになる)でしょう。』

 

ではまず最初の文章を分析してみましょう。

“If”節(”If”からカンマのところまで)には、現在形が使われていますね。そして、その後ろの節に未来形が来ています。注意点は、仮定する部分(”if”節)には”will”は来ていないということ。そして日本語でも『ジャムを欲しがるでしょう』と言っているように、後半の部分で未来形をとっていますね。”First conditional”と呼ばれるこのタイプの仮定法は、この形が基本です。その他の仮定法は、これを基にして時制を操るものなので、まずは何度もこの動画を見て、この形(文章の構造)をしっかりインプットしましょう。この絵本を、何度も朗読するのもお勧めです。

 

 

次の2つの文章を見てみましょう。

"When he’s finished eating the muffin, he’ll want another, and another and another. When they’re all gone, he’ll ask you to make more."

 

『彼(ヘラジカ)が、(その)マフィンを食べ(終え)てしまったら、彼はまた一つ、それからまた一つ、さらにまた一つと(マフィンを)欲しがるでしょう。それが全部なくなったら、もっと作ってくれと頼むでしょう。』

 

では最初の文章を分析します。まずは部分的に見てみましょう。最初の半分のうち、頭の”when”を取って、独立した短い文章にします。

He’s finished eating the muffin.

『彼は(その)マフィンを食べてしまった(ところです)。』

たった今たいらげた!という感じがありますね。

 

単純に過去形を使うと、

He finished eating the muffin.

『彼はそのマフィンを食べ(終え)ました。』

聞き手には、『へぇ、そうなの。いつのこと?10分前?今朝?2時間前?』という疑問が沸き上がってきます。たった今という感じはしませんので。

 

最初の文章↓は現在完了形と呼ばれていますね。

He has finished eating the muffin.

用法は色々ありますが、ここでは『たった今~したところです』という、動作の完了について表現するのに使われていますね。主語の次に”has”が来て、その次に”finish”の過去分詞”finished”が来ていますね。『アレ、主語の後ろは”have” じゃなかったの?』と一瞬思ってしまいますが、”He”や”She”や”It”などの三人称単数形と呼ばれる主語の場合は、後ろに続く動詞に”s”が付く決まりがありましたね。そして、”have”は”s”を付けられない代わりに、”has”に代わるんでしたよね。

 

この部分を使って『~してしまったら、~するだろう』と言いたい時は、まず”when”をくっつけて前半部分を完成させます。”If”は使われていませんが、2つの文章の区切りが分かりやすいように、カンマが付いていますね。

"When he’s finished eating the muffin,"

『(彼が)マフィンを食べてしまった時』という、文章の前半になります。

そしてその後は、先ほどの仮定法の文章の後半と同様”will”が使われていますね。

“he’ll want another, and…"

 

2つ目の文章です。

"When they’re all gone, he’ll ask you to make more."

またカンマの後で区切って、前半の”when”をとりあえず横に置いておきます。

They are all gone.

『それらが全て(どこかに)行かされた』

となります。

 

代名詞”they”は人だけでなく、物の複数形にも使えましたよね?代名詞と言われるものは、その直前に出ている名詞の重複を避けるために、わりに使われるので、代名詞と呼ばれているのでしたよね。では、『それら』って何のことでしょう?ひとつ前の文章にある、複数形の名詞は…?戻って探してみても、”s”の付いた、明らかに複数形だとわかる名詞はありませんね。とんちクイズの様に考えてみると…ヘラジカは、マフィンをまず一つ食べてしまってから、もう一つ下さいな、というように、延々とこの行為を繰り返しています。つまり、トータルで複数形になるのは、マフィンなのです。すると、まず『マフィンが全部どこかに行ったら』となります。

 

学校で、『行く』の後ろにどこに行くかという場所を示す必要がある、と習ったと思いますが、この文章には場所が示されていません。つまりどこでもいいからなのです。どこに行ったかは重要ではなく、どこかに行ってしまって、ここにはない!と言いたいわけです。そして、この部分の文章の構造に注目してみると、

 

They are (all) gone.

主語+be動詞+動詞の過去分詞と並んでいます。

 

これがいわゆる受動態『~される(させられる)』でしたね。直訳は『マフィンが(全て)どこかに行かされる』ですね。逆に能動態で『マフィンが(全て)どこかに行く』とすると、いかにもマフィンに意志があって、実際に歩いてどこかに行けるような、不思議なことになってしまうため、受動態が使われているのです。

 

 

では次を見てみます。

You’ll have to go to the store to get some muffin mix. He’ll want to go with you.

『あなたは、マフィンの素を買いに出かけなくてはならなくなるだろう。彼(ヘラジカ)は一緒に行きたがるだろう』

 

これまでの流れに合わせて、2つの文章で、時制を合わせて”will”が使われていますね。まずは、最初の文章の意味を、いつものように、ブロックごとにとって行きましょう。

(最初のセンテンスは意訳です。詳細な分析のご希望があればお知らせください。)

 

"You’ll have to / go to the store / to get some muffin mix."

あなたはしなければならなくなるだろう / お店に行くことを / マフィンの素を買うために

(あなたは マフィンの素を買うために お店に行くことを しなければならなくなるだろう)

 

しつこいようですが、最初の段階で意味がとれますので、これで十分です。(カッコ内は、語順だけ日本語のように並べたものですが、このプロセスは不要。)きちんと並べ替えて、きれいな日本語にしようとするとごちゃごちゃしてしまうし、時間も掛かってしまって、クラスメートさん達に申し訳ない、と焦ってしまう…こんな悪循環とは、サヨナラして下さい。

 

次回予告

次回は、中学校の英文法の復習Part 2です。”N”イディオムの続きは、その後になりますので、何卒ご了承くださいませ。ではまた来週。