隙間時間の英語雑学T-37

Thursday, 20th May 2021   

今週の英語雑学

中学校の英文法の復習 part 2

動画 If You Give a Moose a Muffin

 

4月24日付けの、土曜日のお勧め動画”If You Give a Moose a Muffin”を観ながら、中学校で習った文法を復習しましょう。『基本中の基本』までさかのぼっていますので、知っている箇所はどんどん飛ばして読み進めて下さいね。

 

If You Give a Moose a Muffin

www.youtube.com

 

『もしもヘラジカにマフィンをあげたら(どうなるか)?』

易しいレベルですが、何度も音読すれば、”remind of” ~や”put on a show”などなど、様々な表現が自然にインプットできますし、朗読の練習にも使えますね。シャドーイングも良いですが、自分一人で読んだものを録音して聞きながら、納得がいくまで何度も練習するのがお勧めです。

 

今回分析するのは、こちらです。↓

When he opens the door and feels how chilly it is, he’ll ask to borrow a sweater. When he puts the sweater on, he’ll notice one of the buttons is loose. He’ll ask for a needle and thread. He’ll start sewing. The button will remind him of the puppets his grandmother used to make. So he’ll ask for some old socks. He’ll make sock puppets.

 

解説    

先週の続きです。

"When he opens the door and feels how chilly it is, he’ll ask to borrow a sweater."

『彼(ヘラジカ)がドアを開けて、外がどれほど寒いかを感じたら、セーターを借りたいと頼むであろう。』

 

勿論、もっと日本語らしい表現にすれば『外がどんなに寒いかが分かると、セーターを貸し欲しいと言ってくるでしょう』のような感じになるかと思いますが、翻訳練習ではありませんので、ブロックごとの直訳を、最小限の並べ替えて和文にしています。何卒ご了承くださいませ。

 

分析です。前出の『ヘラジカがマフィンを食べてしまったら』と同様、”if”ではなく”when”が使われていますね。そして後半は、やはり今までと時制を合わせて”will”が使われていますね。そして、何か(アクション)をしたい場合の”ask to”が使われています。

 

何かをもらったり、借りたりする時は“ask to”と“ask for” 両方使えますね。(”to”の後ろには、動詞の原形が来ていますね。)

He will ask to borrow a sweater.           彼はセーターを借りたいと頼むでしょう。

He will ask for a sweater.                       彼はセーターを欲しがるでしょう。

 

少し戻りますが、WHの疑問詞で始まる文章の復習です。

“When he opens the door and feels how chilly it is, he’ll ask to borrow a sweater.”

 

この前半部分に注目します。カンマの後で切って、頭についている”when”を取ってしまい、次のようなとても短い文章に加工します。

“He opens the door and feels how chilly it is.”

『彼(ヘラジカ)がドアを開けて、外がどれほど寒いかを感じる。』

という直訳ですね。”and”以下の語順に注目しましょう。

 

“W”や”H”という文字で始まる、”What”や”Which”などの疑問詞を使った疑問文は、普通次のような語順でしたよね?

What time is it now?

『今何時ですか?』

Which bag do you like better?

『どちらのバッグが好きですか?』

 

これらの疑問文が、別の文章と結びつくと、語順が変わるという決まりがありましたね。上記の文章をもとにして、次のような文章を書いてみます。

“Could you tell me ~?”を”What time is it now?”にくっつけて、より丁寧に聞きたい時は↓

Could you tell me what time it is now?

『今何時か教えてもらえますか?』

 

“I know ~”と“Which bag do you like better?”をくっつけると↓

I know which book you like better.

『君がどちらのバッグが好きなのか、知ってるよ。』

 

“Could you tell me”と”I know”の後に続く疑問文の語順が変わっていますよね?助動詞を落として主語が来る、などと覚えるのも勿論良いですが、『動画の中では、ああ言っていたよなぁ…。』を丸ごとインプットしてしまって、次に使いたい時は、そのままの語順で、単語を入れ替えるだけですね。

 

動画で使われているオリジナルの文章を、何度も見ながら聞いたり、自分で言ってみたりしていると、気付かないうちに、頭の中で分析・保存されていて、語順の間違った文章を聞くと、『アレ?なんか変だぞ!』となります。気付いていないだけで、日本語だって、そうやって学んできているのですから。

 

“When he opens the door and feel how chilly is it, he’ll ask borrowing a sweater.”

↑よくある間違いですが、何度も動画を繰り返して見た後だと、思わず2度見してしまいませんか?ものすごく不自然に感じますよね?何ヶ所、間違いが見つけられましたか?

 

 

次に進みましょう。

"When he puts the sweater on, he’ll notice one of the buttons is loose. He’ll ask for a needle and thread. He’ll start sewing."

『セーターを着てみると、(数ある内の)ボタンがひとつ取れそうになっているのに気づくでしょう。そして、針と糸を貸して欲しいと頼むでしょう。彼は、裁縫を始めるでしょう。』

 

ここまで進んでくると、”if”が使われているのは、この絵本の一番最初と一番最後の2回だけだということが分かりますね。言い返せば、ヘラジカにマフィンをあげた後は、『もしも』ではなく、ほぼ必然的に取る行動や、起こってくることについて述べているので、条件の『もしも』ではなく、”when”で『~した時』という表現を用いているということですね。

 

それからボタンですが、何個かあるうちの一つなので“one of”が使われていますね。飾りでボタンがたった一つ付いているものではなく、おそらく前當のカーディガンなんだろう、ということが分かります。

 

ちなみに、カーディガンとセーターの違いについて疑問に思われた方は、こちらをご参照下さい。↓

Difference Between Cardigan and Sweater

www.differencebetween.com

 

一言で言ってしまえば、『カーディガンはセーターの一種で、前開きでボタン付きのもののことを指す』ということですね。

 

“He’ll ask for a needle and thread.”

次の文章でも、何かが欲しいので、”ask for”が使われていて、その後すぐに(欲しい)借りたいアイテムが来ていますね。この語順はたまたま日本語と同じで、『針と糸』ですが、英語には色々と決まりがありました。覚えるのも億劫だし、例外も多いので、やはり多読、多聴(こんなは言葉なかったかも知れませんが)で自然にインプットすれば、アウトプットはほぼ何も考えずにできますよ。

 

3つ目の文章です。

“He’ll start sewing.”

Sprint 3とSprint 4では、多分ざっと『(”go”などの例外を除き)動詞と動詞が原型で並べない決まりがあります。2つ目の動詞はTo不定詞か~ing形で』とご説明していたと思います。メインの動詞の後ろに続ける動詞がTo不定詞か~ing形かで、全く意味が異なるものから、微妙に違うもの、ほぼ変わらないものがありますが、”start”はどちらを取っても変わりません。読み聞かせものですし、目的語などもないですし、リズムはこちらの方が圧倒的に良いです。まるごとインプットで良いかと思います。違いについては、また機会がありましたら…。

 

次です。

"The button will remind him of the puppets his grandmother used to make. So he’ll ask for some old socks. He’ll make sock puppets."

『(その)ボタンが(彼に)、お婆ちゃんがよく作ってくれていた指人形を思い出させます。それで(彼は)、古い靴下が欲しいと頼むでしょう。そうして、(彼は)靴下の指人形を作るでしょう。』

 

最初の文章は、まずは”puppets”の後で切ってみましょう。

"The button will remind him of the puppets."

これだけだと、『そのボタンは彼に特定の指人形(達)を思い出させる』となってしまって、なんとなくモヤモヤしますね。指人形に定冠詞と呼ばれる”the”が付いていて。意味が特定されているので、ただのその辺で売っている指人形のことではないはず。そこで、切った文章の残り部分の”his grandmother used to make”『彼のお祖母ちゃんが以前(よく)作っていた』がその人形を特定しているんだな、ということが分かりますね。(ちなみに”puppet”は広義では『あやつり人形』です。)

 

それから、『人にあることを思い出させる』という”remind of”の表現も、この動画を繰り返し見ていれば、スムーズにインプットできますね。先にインプットしてしまえば、後で応用する時に、『ああ、確か動画では、”remind + 人 + of + 物”という順番だったなぁ』となりますよね!

 

お馴染みの“used to”が出てきましたね。単純過去形で表すような、たった一度の過去のアクションではなく、ある程度習慣的に行っていたことを言いたい時に使いましたね。

 

I used to make Kimekomi dolls.

『(昔は)よく木目込み人形を作っていました。』

I made a Kimekomi doll when I was a little girl.

『小さい頃に(一度だけ)木目込み人形を作りました。』

 

f:id:mamatange:20210517171750j:plain

 

2つ目と3つ目の文章は、特に注目点はなさそうですね。

“So he’ll ask for some old socks. He’ll make sock puppets.”

 

次回予告

次回は、中学校の英文法の復習Part 3です。

 

ではまた来週。