隙間時間の英語雑学T-59
Thursday, 21st October 2021
今週の英語雑学 – “Why Finland's Schools Outperform Most Others across the Developed World”
かなり以前から言われていますが、『フィンランドの学校が先進国のなかでも、特に優れている理由』です。
Why Finland's schools outperform most others across the developed world
解説
ヘルシンキの、とある小学校の始業風景から始まっていますね。
古代史の時間です。ペアになって、古代エジプトの生活について読み、その後、読んだ内容についての質問に答えます。この方法が近年、世界で最も良い方法とされているものです。それなのに、フィンランドの子供達が教室で過ごす時間は、オーストラリアの子供達の半分です。
(フィンランドでは)子供が7歳になり小学校一年生になると、(授業の時間は)一週間に最低20時間です。学年が上がれば当然時間も増えますが、それでも、ヨーロッパ内でも、その他の国と比べても、少ないのです。
フィンランドでは、カリキュラムの決定のみならず、教室内で使用する(パソコンなどの)テクノロジーなどの使用についても、各担任に委ねられています。
『今ピラミッドのプロジェクトをやっています。自分達の名前を象形文字で書いているんですよ!この後、また別のタスクに取り掛かります。』
11歳のミントゥちゃんが、クラスを中途退出させてもらっています。構内にある、生徒が経営しているカフェでの仕事があるのです。
カフェにて
『こんにちは。カメラマンにケーキ一つ、それから僕にも一つ下さい。それから、コーヒー2つでいくらですか?』『€2.60(約S$4.7)です。』ここでお金を渡し、『おつりはいくらですか?』の問いに、よどみなく『¢40』と答えながら、おつりを渡していますね。『チップを入れる容器はありますか?』と聞かれ、『ありません』。
フィンランドでは、教科書や課外学習と同様、給食も無料です。子供達は、自分達の好きな物を選んで、好きな所に友達や先生と座って、昼食を取り、自分達で後片付けをします。
(その後)子供達は、温かい服を着て、少々荒っぽいヴァージョンのサッカー、バスケットボール、ホッケーなどをして、外で遊びます。天候が悪い時のための施設も充実しています。外からも見えるアイススケートリンクの他、昼休み中にも使えるピンポン台、ビリヤード台、冬季に備えたbean bagやカウチに、プレイステーションもあります。
『大変充実した設備の学校ですが、他の学校よりも高い学費を払っているのですか?』の問いに、『いえいえ、そんなことはありません。(どの学校でも)誰でも同じ金額を払っています。』と校長先生。(とっても若いですね!!)フィンランドでは、学費を上げたり、保護者から寄付金を徴収することは禁じられています。全ての学校は、税金から平等に資金割り当てがされています。『このシステムでは、全てが室生です。保護者から集金することは、全くありません。』と校長先生。
『我々は、全ての学校が同等であること、全ての教育の機会が均等に与えられる事を望みます。よって、金銭的なシステムも統一し、全ての学校を同等と見なします』(政府の教育機関のアドヴァイザーの女性)
ミントゥちゃんのお兄ちゃんで7年生のリーヴァイは、午後は数学の授業がありました。『テスト前の最後の学期前に、一章残っています』と先生。フィンランドにも、期末試験はありますが、試験の結果は公表もされず、保護者にも通知されません。校長先生によれば『追加の試験もありますが、どこが良い学校でどこが良くないかなどと、学校を比較しないのです。情報(テスト結果)は、我々がきちんと教えているかどうかを審査するために使用するのです』。
やはり、最も顕著な違いは、教師達の質でしょう。リーヴァイの数学の先生は、5ヶ国語を話し、大学院を出ています。『教師になるため、私達は全員、修士号保持者でなければなりません。自分は、数学と化学、物理学の教師です』。
フィンランドでは、教師のポジションは需要が大変高いのですが、『大学に入学すること自体が、非常に困難で、その内10%が教識です。教師になりたいのであれば、それは第二や第三のキャリアとしてでは、実現し得ないものです』と、数学の先生。
『教師陣は、子供達にとって、何がベストなのか知っていると信じています。自分は教師ではありませんし、そのような学識もありませんから、口出しはしません』と保護者の方。外国語の名前は聞き取りにくいのですが、おそらく、ミントゥちゃんのご両親です。
フィンランドでは、子供に合った学校が見つけられるかどうかを懸念するようなことは、皆無です。『フィンランドには良い学校が揃っているので、調査の必要などありません。』『フィンランドでは、そのようなことは、誰も考えることすらありません。』とご両親は続けます。
フィンランドは、他国とは非常に異なり、主に単民族からなる、小さな社会ですが、その素晴らしい教育システムから、オーストラリアが学ぶところは大きいと言えます。
『人々がお互いに信頼しあって初めて、そこにシステムが構築できると言えます。』と校長先生。教師陣への投資こそが、明確に最初の(成功への)一歩となっているようです。
最後は数学の先生の言葉で締めくくられていますね。
『教師を尊敬する社会において、保護者は教師を尊敬し、介入してくることはありません。それが大変重要なことなのです。』
* このニュース番組は、オーストラリアの番組なので、ところどころオーストラリアとの比較が入っていますね。
次回予告
そろそろ『書く』シリーズから、別のトピックに移行した方が良さそうですね。リクエストお待ちしております。
ではまた来週。