隙間時間の英語雑学T-66

Thursday, 9th December 2021   

 

今週の英語雑学 – “MINI HABITS by Stephen Guise

 

先週に引き続き、小さな習慣関連の動画です。要約は意訳です。

 

MINI HABITS by Stephen Guise | Core Message 

www.youtube.com

 

Stephen Guise氏の『小さな習慣』のメッセージの要約動画ですね。

 

要約    

運動の習慣を付けたり、本を書いたり、技能を上達させたいと願う時、人は何かしら大掛かりな行動をとらなくてはならないと考えます。毎朝1時間運動し、午後には5,000文字ほど書き物をして、夜は2時間練習する…と言った具合に。しかし、大掛かりな行動には大掛かりな問題が付き物です。大掛かりな行動を取るには、大変な動機が必要です。そのため、ついつい『頭痛がするから』、『疲れているから』とか『急な予定が入ったので、明日にしよう』などと、人は言い訳をしてしまったりします。そうでなくとも、前の晩よく眠れなかったり、体調が悪かったり、気分がすぐれなかったりして、どうしてもやる気が出ない日はあります。では、言い訳をする余地すらない程、目標の行動を最小限に設定してみてはどうでしょうか?それは、この本の著者であるStephen Guise氏が、自分自身で試したものです。

 

時間が無かったり、疲れていたりして、運動を習慣化するのに、十年近くも失敗し続けたStephen Guise氏は、逆転発想を実行に移します。腕立て伏せを1回だけをするのには、時間もエネルギーも要らないはずです。確かに実際、腕立て伏せ1回だけであればできたのですが、できたと思って30分の運動に切り替えると、途端に言い逃れが始まってしまいました。そこでまた、腕立て伏せは1回だけ、という日課に戻したのですが、これが黄金の腕立て伏せとなりました。

 

一日にたった一回の腕立て伏せが、物事に積極的に取り組む人格へ転換する、人生の転機となったからです。小さな習慣には、3つの威力が隠されているのです。

 

  1. 行動することで生まれる動機

何か一つ、小さな行動をしてみると、急にそれだけではなく、もっとやってみたくなるものです。

 

最初に腕立て伏せを1回だけやった著者は、2回、3回…と続けてしまい、気が付くと、筋肉痛になるまで続けていました。おそらく、心理的なものと物理的なものが相まって、そうさせるたのでしょう。腕立て伏せ1回は、絶対に許容範囲内です。たった一回腕立て伏せをやった後、直ぐにやめてしまうことの後ろめたさのようなものと、物理的に、床に伏せて腕立て伏せを一回した後に、継続することの容易さ(『運動中の物体はその運動を続ける』という、ニュートンの運動の第一の法則)とが相まって、小さな行動がさらに拡大してゆくのです。このことを数式化すると、下記の様になります。

 

小さな一歩+理想の行動=次のステップへ移行できる可能性大

 

  1. 小さな行動で高まる自信

小さな行動が自信を高めると、やがて自分を変えたいと思うようになります。

 

Northwestern Universityで2009年に行われた実験では、極度に蜘蛛を恐れる人々が集められ、小さな行動の積み重ねにより、恐怖が克服できるかどうかが調査されました。まず最初に、被験者に蜘蛛について話をさせ、次に写真を見せた後、ガラスケースに入っているタランチュラから、10フィート(約3っメートル)離れたところで立つように説得しました。それができると、被験者はガラスケースに触れられるようになり、絵の具の筆などでタランチュラに触れることもできるようになりました。このような小さな行動を2時間積み重ねると、かつては蜘蛛を恐れるあまり、草むらを歩くことさえ拒んでいた被験者達は、平気でタランチュラを素手で掴むことができるようになったのです。小さな行動は、大きな行動へのドアを開きます。小さな行動により、恐怖を克服して自信を得ることが出来たのです。

 

  1. 少ない努力でも得られる結果

習慣を確立するのは、丘を越えるようなものです。

 

丘を登るのには、それ相応の努力が必要ですが、頂上に着いてしまうと、何の努力もせず、重力で下ることができます。習慣を確立するのには18日から254日掛かると言われていますが、それがしっかり根付きさえすれば、その後は、取り立てて努力しなくても、自然に続けることが出来ます。一旦定着した習慣は、途中で止めることが困難なくらいです。

 

自分も、始めは困難で不快だった風呂上がりの冷たいシャワーも、慣れてしまうと、何も考えることなく、日常的に行っています。何らかの理由で気が削がれて、冷たいシャワーを忘れてしまった時があったのですが、冷たいシャワーを浴びるために、風呂場に引き返しました。

 

習慣として行っていることをやらないと、とても気持ちが悪いものです。脳が反応し、どうしてもその行為を行いたくなります。歯磨きをしたり、朝シャワーを浴びたり、電話を出る時は挨拶から始めるなどの日常的な行為は、行為の積み重ね回数によるものではなく、一貫性によるものです。あまり広く認識されていませんが、我々の脳は、一貫性を好むものなのです。

 

冷たいシャワーに脳を慣れさせるために必要なのは、風呂上がりの5秒間冷たいシャワーを浴びることを2週間ほど続けるだけです。冷たいシャワーが50秒だったとしたら、とても続けてはいられなかったと思いますが。バイクで坂を上がるのが、自転車で上がるほどの努力は要らないのと同じです。

 

 

小さな習慣の3つの威力をまとめると

  1. 動機が生まれる
  2. 自信がつく
  3. 努力は少なくて良い

となります。

 

実行に当たり、がんじがらめの決まりを作ってしまうと、成果が得られなくなってしまうので、次の2点だけ気を付けるようにしましょう。

 

  1. サルでも出来るくらい最小限に留める

やるべき必要なことを、これ以上ない程、最低限に設定します。そうすれば、どうしても気が乗らない日でも、言い訳を見つけようとしなくなります。言い訳しないのが、目標なのです。

 

自分は、毎晩日記を付ける習慣を定着させたかったので、たとえ16時間仕事をした後でも、子供が泣いていようとも、徹夜明けでも絶対できるように、たった1単語だけ書くという決まりを作りました。勿論、たった1単語書いて日記帳を閉じてしまうと、不満が残りますが、ここで2つ目の決まりを忘れてはなりません。

 

  1. 最小限の設定で満足する

勿論、日記をたった単語1語で終わらせてしまえば、大変な不満を感じますが、だからと言って沢山書くようにしたい、などと考えると、この先また挫折してしまいます。そこで、単語1語だけ書くと言う決まりはそのまま維持し、もっと書いても良いという選択肢を選べるようにすると、脳に本質的に備わっている力により、自然と沢山書くという選択肢を選べるようになります。気分が乗った時には、気が付くと3ページも書いていることがありました。

 

気の乗らない日の1単語+気分が乗った日の数ページ > 毎日3ページ ということになります。

 

この体験(日記を付ける習慣の定着)を通して、自分自身に誠実でありさえすれば、新たな習慣を定着させることができることが分かりました。

 

新たな習慣を定着させたい時は、いつもGuise氏の言葉を思い出すようにしています。

 

小さな一歩+理想の行動=次のステップへ移行できる可能性大

 

これは、自分が6年前にGuise氏の”MINI HABITS”を読んだ時に学んだ、最も重要なメッセージです。何度も繰り返し読んでいますが、皆さんも是非読んでみて下さい。要約をご希望の方は、PDFファイルでお送りしますので、メールアドレスをお知らせ下さい。

 

次回予告

引き続き、類似した内容の動画を取り上げますね。いつでも変更可能ですので、リクエストがありましたら、お知らせ下さいませ。

 

ではまた来週。